韓国発のオカルトミステリードラマ「悪鬼」が6月23日より配信スタートし、早速視聴者をゾクっとさせている。このほど“悪鬼”に取り憑かれた主人公ク・サニョンを演じるキム・テリと、悪鬼を見ることができる民俗学の大学教授ヨム・ヘサンを演じるオ・ジョンセに、キャラクターのことから演技についてまで話を聞いた。キム・テリは「二十五、二十一」で明るくへこたれない主人公を演じた今注目の韓国女優。オ・ジョンセは「サイコだけど大丈夫」の主人公の兄役などで知られる名優だ。
オカルト×青春という脚本の魅力
同作は、取り憑いた人間の欲望を聞き入れて他人を死に追い込み、自らも大きくなっていくという韓国に伝わる悪魔をテーマに描く物語。脚本を、日本でもドラマ化された「シグナル」や「キングダム」などで知られるキム・ウニが手掛ける。
貧しい家庭に生まれ、不運続きのサニョンは、長く会っていなかった父親が不可解な死を遂げたことでさらに人生が最悪なものに。一方、幼いころから鬼や神を見ることができたヘサンは民俗学の教授となり、母を殺した悪鬼を探していた。その中で悪鬼に取り憑かれたサニョンと出会い、2人は互いを苦しめる呪いを解くため協力していく。日本ではディズニープラスのスターで独占配信中。
――この作品に出演を決めた理由を教えてください。
キム・テリ(以下、テリ):韓国版のオカルトミステリーということで、非常に刺激的で興味を覚えました。キム・ウニ先生がディープなジャンルのものに青春を溶け込ませたいとおっしゃったので、どういう風に青春が表現されるのか、きっと面白いのだろうなと思い、参加することにしました。
オ・ジョンセ(以下、ジョンセ):脚本がキム・ウニ先生だということと、キム・テリさんが出るということで快く引き受けました。
――キム・ウニ氏の作品の魅力はどこでしょうか?
テリ:シチュエーションに非常に長けている脚本家だと思います。魅力的なエピソードを構造的に、非常に緻密に設計されています。ですから、物語の構造にきっちり付いていけば、ドラマを見ている間、緊張感が途切れることはまずないと思います。
ジョンセ:キム・ウニ先生は、スケールの大きい物語の設計能力が非常に卓越した方です。その中で視聴者の方々が面白さを感じるんじゃないかなと。あと、見終わったあとに考えさせるような、そういったネタを提供なさっていると思います。
“クエスチョンマークキラー”になったキム・テリの注目ポイントは?
――役作りのエピソードがあれば教えてください。
テリ:韓国にクエスチョンマークキラー(※質問攻めする人を指す造語)というのがありまして、これを取り入れて、「なぜ?なぜ?」と質問をたくさんするようにしました。台本の世界感が確固たるものがあって、ディティールがすごく多かったんですよ。この中で一つでも見落としちゃいけないと思って、とにかくたくさんの質問を投げ掛けるように努力をしました。
ジョンセ:ヘサンという人物は、一人の世界で生きている非常に孤独な人。ユーモラスさとか、面白さというセンスがない人なんです。いわば魅力のない人物ですけど、終わる頃には、このヘサンという人物の魅力を皆さんに感じていただきたいなと思って、役の根底には善良な心を込めて演じたいなと思いました。「悪鬼」を追い出す中で、救うことができるものや解決できることに対して目を瞑らず、人間としての善良な心を持って表現したいなと思って、肉付けしました。
テリ:私は今回オ・ジョンセさんから学んだことが多くて、ヘサンとして作品に対する役作りへの取り組みにおいて、非常にたくさんのことを学べました。あと、この人(ジョンセ)いい人だなと思いました(笑)。
ジョンセ:(笑)。
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