コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、親友の彼女に誘惑されるドキドキを描いた漫画『アイツノカノジョ』をピックアップ。
作者である漫画家の肉丸さんが、2023月5月12日に本作をTwitterに投稿したところ、1.6万件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事では肉丸さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
まさかの修羅場…?少年の家で女友達と後輩がバッティング
高校3年生の男の子・リクの家を訪ねてきたのは、リクの親友・タクトの彼女でもあり幼馴染の雫。雫がいつものように家に上がり込むと、そこには先客としてリクの後輩の女の子・伊波がいた。リクの家の中で鉢合わせた2人はどちらもリクの好みを熟知しており、お土産として持ってきたものもほぼ同じ。リクの話で意気投合するのだった。
しかし、後輩である伊波にはずっと気になっていることが1つあった。それは雫がタクトの彼女であるにも関わらずリクにちょっかいをかけているのかということだ。3人の関係を壊さないようにタイミングを見計らいながら、そっと雫に尋ねようとするもパンツ姿のリクが現れ、それどころではなくなってしまう。
そんな出来事をタクトを含めた4人で話していると、会話の盛り上がりを遮るかのようにタクトは急に「悪い、今日は帰るわ俺。」と言い放つ。それを聞いた雫もタクトを追うように帰っていくのだった…。
女友達でもあり親友の彼女でもある雫の行動に心を揺さぶられ続けるリクの様子が描かれた本作。ネット上では、「これは修羅場だ…」「なんか複雑な気持ちになった」「モヤモヤする」「脳が破壊されそう」「感情がぐちゃぐちゃになる」などのコメントが寄せられている。
「主人公だけでなく読者もドギマギさせられるように」肉丸さんが語る創作のこだわり
――肉丸さんが漫画を描き始めたきっかけやデビューの経緯などをお聞かせください。
漫画を初めて描いたのは約4年前、身内が出した同人誌にゲストとして6P程参加したのがきっかけです。その後暫くはpixivにらくがきを投稿したりはしていたのですが、漫画は描いていませんでした。
そこから時間が経って半年後、前の仕事(施設管理の営業職)を辞めた事を機に何か全く違う職業に挑戦しようと思い、その候補の1つが漫画家でした。
まず就活として、1ヶ月後に大阪で開催されるイベントにある出張編集部への持ち込みを目標に28P程のオリジナルの漫画を描き始め…当日の朝、ふらふらになりながら何とか描き上げました。そしてその足で持ち込みに行き、その場でまんが王国の担当さんと仲良くなり連載の話をいただいた…という感じです。
――『アイツノカノジョ』を創作したきっかけや理由についてお聞かせください。
2年程前、「色んな人の性癖に刺さるもの描こう!」と思い、Twitterで一枚絵漫画を5作品ほど毎日投稿していたのですが、その時に現サンデー担当の宮川さんが作品を観てDMをくださった事がきっかけです。
宮川さんには5作品の中の1つである「女友達が泊まりに来た」ニュアンスの作品をもっと詳しく観てみたいと言っていただけたので、まずはそれを読切漫画に昇華させよう…という事で生まれたのが『アイツノカノジョ』です。
――彼氏の親友を誘惑する美少女・雫とそれに翻弄されるリク、それぞれのキャラクターや設定はどのように生み出されたのでしょうか?
まず雫について、親友の彼女に手を出してしまう・しまいそうになるというのは正直尋常ではない状況だと思います。その上で、「分かった上でも我慢できなくなる娘ってどんな娘だろう?」と考えながらキャラクターを作っていくと今の感じになりました。自分をリクの立場に置き換えて「この娘ならまあしゃあないか…」思っていただけたら嬉しいです。
リクについては、お人好しな普通の高校3年生として、これから変化していくんじゃないかという余地を残して描いています。それが良い方向か悪い方向かは私にも分かりません…。
――本作では親友の彼女・雫に誘惑され心を揺さぶられ始めるリクのドギマギする姿が印象的ですが、本作を描く上でこだわった点や意識した点があればお聞かせください。
リクだけではなく、読者の皆さんにも心を揺さぶられていただけるよう、がんばって描いています。最新話を読んだあと「続きは⁉︎」と思ったり、次回更新の2週間先まで心のどこかに引っ掛かりを感じたりしていただけたら作者冥利に尽きますね。
もう1つ、現在まんがタイムきららキャラットさんで『ばっどがーる』という作品も同時連載しているのですが、そちらとは全く違うものを作ろうという意識も持っています。可能であればどちらもご覧いただき、その落差を体感して貰えたら嬉しいです。
――本作はサンデーうぇぶり(小学館)で現在連載中ですが、特に注目してほしいポイントや今後の見どころについてお聞かせください。
当然物語が進むごとに雫(&うみみ)とリクの関係性も深まっていくはずです。その先にどこまでいってしまうのか…という部分は興味を持っていただけると嬉しいです。また、現状では見えていないそれぞれの行動理由も徐々に明かしていくつもりですので、そちらの展開にも是非ご注目ください。
また作品ではなく個人として…まだまだ駆け出しの身です。作品を読んでいただける皆様により良いものを届けられるよう、日々色んな本を読み漁ったり映像を観たり先輩方に相談したり…勉強を重ねております。ですので作品を通じて、漫画家としての成長も見守っていただけますと幸いです。
――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
いつも作品をご覧いただいている皆様、本当にありがとうございます!
この作品は特性上、色んなご意見があります。肯定的なものもあれば否定的なものも。ですが私はどちらのご意見もすごく大切に思っています。もちろん褒められたらめちゃくちゃ嬉しいですし否定されたら悲しいですが…両方とも作品をしっかり読んで下さった上で、皆さんが持った感情を伝えて下さっているからです。
ですので「嫌なら読むな」なんて思いません。嫌でも読んでいただいた上で、肯定的なご意見も否定的なご意見も合わせて、どしどし送って貰えますと嬉しいです!※ただ反対意見の方に対する誹謗中傷だけはやめて下さい!