映画「1秒先の彼」の公開記念舞台あいさつが7月8日に都内で開催され、W主演を務めた岡田将生、清原果耶、共演の荒川良々、羽野晶紀、メガホンをとった山下敦弘監督、脚本の宮藤官九郎が登場。また、劇中で岡田“ハジメ”と清原“レイカ”それぞれの幼少期を演じた子役の柊木陽太、加藤柚凪も特別ゲストとして花束を持って登壇し、岡田と清原に花束とサプライズで手紙を贈った。
「怪物」俳優と“月9”俳優
同映画の原作は第57回台湾アカデミー賞最多受賞作である「1秒先の彼女」。男女のキャラクター設定を反転させ、京都を舞台に何をするにも人より1秒早い“ハジメ”(岡田)と1秒遅い“レイカ”(清原)の消えた1日を巡る物語だ。山下監督と脚本・宮藤が初タッグを組むことでも注目を集めている。
特別ゲストとして登場した柊木といえば今年6月に公開されるや国内外で話題を集めた映画「怪物」で安藤サクラらと共に主演として堂々たる演技を披露。加藤は“月9”ドラマ「監察医 朝顔」(2019年ほか、フジテレビ系)シリーズで主人公の娘を愛嬌(あいきょう)たっぷりに演じるなど、それぞれ天才子役として注目されている存在だ。
2人は舞台あいさつの終盤に浴衣姿で花束を携えて登場し、柊木が岡田へ、加藤が清原へ花束を手渡す。さらにサプライズで“子どものハジメ”から“大人のハジメ”へ、“子どものレイカ”から“大人のレイカ”へ、という形で役にちなんだ内容の手紙を読み上げた。
加藤からの手紙に、清原は「ほっこりしてしまいました…」と笑顔を見せ、手紙の中の「大人のレイカちゃん(清原)はどうですか? 蚊は捕まえられますか?」という質問を受け、「大人のレイカちゃんは蚊を捕まえられるようになりました。こんなお手紙を書いてくれるなんて思ってなくて…撮影現場では全然会えなかったもんね」と、柔和な表情で加藤を見つめる。
続けて「本当に顔を合わせる程度しか会えていなかったので、すごくうれしいです。ありがとう」と優しい口調で加藤に感謝すると、加藤は「どういたしまして!」と元気に返し、会場中がほっこりした空気に包まれた。
裏でいっぱい変顔を見せてあげる
一方、柊木は“大人のハジメ”への思いを語るとともに、手紙の最後には岡田に対して「岡田さんに質問です。岡田さんは変顔は得意ですか?僕はこの撮影で変顔をするのにとても苦労しました。どうやったら面白く演じられるんだろうと。岡田さんみたいにクセのある役でも憎めない愛されキャラを演じられるよう頑張りたいです」と、さらっと“変顔リクエスト”とも取れる質問が。
それに対し、岡田は「やっぱり手紙ってすてきだなって思いました。すごく心にしみるなと。そして急に質問が来るとは思ってなかったので…後で裏でね、いっぱい変顔を見せてあげる。参考にしてね。ここではやらない!後でいっぱい見せるね」と会場の空気が“変顔披露”を求めていると察知して、牽制を兼ねてきっぱりステージ上ではやらないと宣言し、笑わせていた。
最後にあらためて、清原は「この映画を見た時に、本当に人それぞれありのあまの距離感で生きていけることって幸せだなと。それが難しくて悩んだりすることももしかしたらあるかもしれないんですけど、そういう時に、身近な人に寄り添ってもらえるような映画が出来たんじゃないかなと思っています。お一人でもご家族でもお友達とでも、いろんな人と見に行って、温かい空気で帰っていただけたらうれしいです」と呼び掛けた。
そして、岡田は「僕にとってもこの映画はとても思い入れのある作品です。この台本と出合い、山下監督と出会い、宮藤さんと出会い、すてきなキャストの方々、スタッフの方々と一生懸命すてきな映画を作ろうと思い、京都の暑い中撮影をして、(公開)2日目ですがこうやって皆さんの前に立てたことがうれしいです。身を委ねれば委ねるほど温かいものが入ってくる映画だと思います。ぜひたくさん広めていただけたらうれしいです。本日はありがとうございました」と観客に感謝を込めてメッセージを送り、イベントを締めくくった。
映画「1秒先の彼」は、東京・TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー中。
◆取材・文・撮影=ブルータス・シーダ(STABLENT LLC)
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