「スパイダーマン:スパイダーバース」で「アカデミー賞」の長編アニメーション賞を受賞したピーター・ラムジー監督が制作総指揮を務め、アフリカ大陸の新進気鋭のクリエイターたちが手掛けたアンソロジーSFアニメーション作品「Kizazi Moto:ジェネレーション・ファイア fromアフリカ」が、7月5日に配信された。タイトルの「Kizazi Moto」の意味を調べてみると、「Kizazi」はスワヒリ語で“世代”という意味があり、“Moto”は同じくスワヒリ語で“火”を意味する言葉。サブタイトルの“ジェネレーション・ファイア from アフリカ”と同じく、アフリカでの新たな世代による情熱的な作品という思いが込められているのだろう。「少年家畜番」「スピリット・レーサー ムクジ」「モレミ」「伝説のサーファー」「初トーテム問題」「ムクゼイ」「ハティマ」「スターダスト」「ハートをください」「エンカイ」という全10話のエピソードの中から、特に気になったものをいくつか紹介しよう。(以下、ネタバレを含みます)
アフリカ出身のクリエーターが制作
いずれの作品も、アフリカ出身のクリエーターがアフリカの歴史や文化からインスピレーションを受けて制作していて、近未来の世界を描いたり、異星人が登場したり、精霊などスピリチュアルな世界だったり、世界観はさまざま。アニメーションの手法もそれぞれ違っているので、絵のタッチや映像の質感も異なっていて、いろんな部分において“個性”が感じられる。アフリカの歴史や文化に基づいているということで、多岐に渡るテーマで描かれていても、アフリカのクリエーターでしか生み出せない、発想できない作品ばかりだと言える。
オープニングを飾る「少年家畜番」は、未来のウガンダが舞台。高原の王国“チュウェジ”の辺境に住む3人の有能な家畜番が、貴重なサイボーグ牛の群れを魔物から守っている。主人公は10代の少年“ンダフラ”。3人の家畜番に憧れ、自分も戦士になりたいと思っている彼は自作の武器と調査器を持ち込んで、“隊に加えてください”と懇願する。
実は、家畜番の一人は彼の姉。弟のことをよく知る姉は、家畜番に必要なのは武器ではなく“行動”だと諭し、家畜番の判断によって家畜に大きな影響を与えてしまうと“責任の大きさ”を伝えた。しかし、その隙に魔物に家畜を襲われてしまう事件が発生。なんとか3人が取り押さえたが、子ども扱いされたンダフラは“行動”で示そうとして、魔物の巣窟に入っていく…。少年の成長と強い意志が描かれたこの作品は、ハラハラさせられるシーンも多いが、その分、ワクワクするシーンも多く盛り込まれている。
見る者の感情を揺さぶられる作品
「モレミ」はナイジェリアが舞台の物語。神々の領域に捕らえられた孤独な少年・ルオは、出口が見つからず、廃虚のような街から抜け出すことができずにいた。ある日、恐ろしい巨人が襲ってきたが、未来のナイジェリアからやってきた勇敢な科学者モレミが現れ、ルオを救い出してくれた。
モレミとルオは深い関わりがあり、ルオの記憶をよみがえらせることで人々を救うことができるが、記憶が戻るということは、囚われの身となった理由も分かるということもあり、それによって切ない真実も明らかに…。“絆”や過去のつらい思い出など、見る者も感情を揺さぶられる作品となっている。
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