描きたかったのは「“生活に密着”した鬼や神」
――本作は、民俗学に基づいた韓国型オカルトジャンル作品とのことですが、どのようなアイディアから生まれたのですか?
実は、私が描きたかった鬼や神は、世界を破滅に追い込むような巨大な悪というよりは、私たちの生活に密着した鬼や神だったんですね。その起源をたどったところ民俗学にかなり密接に関わっていたので、参考にいろいろと資料を調べたりしました。
――ストーリー制作は、まず伏線や小道具を決めて結論ありきで書いているのですか?あるいは、キャラクターが動いてストーリーを進めていってくれるのか、どういう形で書き進められましたか?
それは本当にケースバイケースですね。今回は民俗学が土台になっていますので、たとえば今はあんまり使われていないけれどかつては使われていたもの、なんとなくどういうところに使われるのかわかるようなものを使っています。
たとえば、髪飾りは“テンギ”と呼ばれるもので、景福宮(キョンボックン)という昔の宮殿に行けば見られることは見られるのですが、実生活では使われていないものなんですね。ほかにも青い甕(かめ)の欠片とか、今見たら何となくはわかるけれども使われていないものを使用しています。
キム・テリが「“さらに”美しく」
――主人公ク・サニョンは、ときに悪鬼として不敵な笑みを浮かべ、ときには「不安でたまらない」と涙を流します。キム・テリさんの演技について、どうご覧に?
キム・テリさんは、編集バージョンを拝見した時、まさに本物だと思ったんですね。彼女の芝居を見て、ク・サニョンなのか、キム・テリなのか本当に区別がつかないほど卓越した表現力に、本当に感謝を申し上げたいと思います。
キム・テリさんが非常に演技上手な役者さんだというのはもちろんわかっていたんですけど、今回「悪鬼」に出たからなのかはわかりませんが、さらに美しくなった気がしたんです。
特に、2話に彼女が悪鬼に取り憑かれたとわかるシーンがあって、どういう芝居をするのか非常に楽しみにしていたんですが、実際にそのシーンを見たらすごくよくて、さすがキム・テリさんだな、と思いました。
TCエンタテインメント