「これを演じるのは簡単ではないんだろうな」
――サニョンの体を借りて不気味にほほ笑む悪鬼の表情に、背筋が凍ります。主人公自身が“得体のしれないもの”に変わっていく…というのはチャレンジングな展開ですが、どういった思いで書かれていたんですか?
この作品は、サニョンが悪鬼に取り憑かれ、惑わされるというのが一番中心になるストーリーです。けれども、実は書き終わったあと、これを演じるのは簡単ではないんだろうなと思ったんです。
また、サニョンが悪鬼になっていくシーンが単なる繰り返しになると面白くないんじゃないか、悪鬼としてもどんどん変わっていかないといけないんじゃないかなとも思いまして、そういう脚本づくりに取り組みました。これも、演じるのはとても大変なことだと思うんですが、キム・テリさんも脚本づくりの過程で一緒に知恵を出してくれて、いろいろ意見も言ってくれたので、非常に助かりました。
――サニョンと行動を共にするへサン役のオ・ジョンセさんの演技については?
オ・ジョンセさんは本当に探究するスタイルなんですね。普段もすごく研究熱心で、私はオ・ジョンセさんの姿、話し方などを見て、「あ、こういうセリフを使おう」と思ったぐらい、ヨム・ヘサンとのシンクロ率が高いんです。
彼の場合は、説明をするようなセリフがすごく多くて、今回お芝居をするのがそんなに容易ではなかったと思うんですけれども、あとすごく孤独なキャラクターなんですね。それに合わせて非常にいい芝居をしてくれていると思います。
ク・サニョンの場合は、パッと見てもすごい演技だなとわかりやすい、そういうキャラクターかもしれないんですけれども、ヘサンの場合は、最初はちょっと地味かもしれませんが、どんどんご覧になる中でハマってしまうような、そういうキャラクターなんじゃないかなと思います。
TCエンタテインメント