第7回衛星放送協会オリジナル番組アワード 受賞作品を一挙紹介!【前編】
衛星放送(BS・CS)ならではの独創性あふれる番組を表彰する「第7回衛星放送協会オリジナル番組アワード」の大賞が決定! 講評とあわせて受賞作品を紹介します。
オリジナル番組賞 大賞
■バラエティ番組部門
「KNOCK OUT(ノックアウト)~競技クイズ日本一決定戦~」
放送チャンネル:ファミリー劇場
《再放送》2017年8月6日(日)夜9:20
(c)東北新社
【作品紹介】
常人が理解できない問題を、理解できない速度で押す異次元のクイズ。それこそが“競技クイズ”と呼ばれる、まさにクイズの格闘技。21 世紀の現在、クイズ最強は誰なのか? 人気度・知名度・タレント性は一切無視。立ち塞がる相手をクイズでノックアウトし、最後に勝ち残った者だけが最強の称号を得ることのできる、本格派の史上最強クイズ大会。ここに開幕! クイズというジャンルに人生を賭け、高みを目指す、現役クイズプレイヤー達が集結した 6 月の予選会、そして 7 月の決勝大会の模様をお届けする。
【審査委員講評】
テレビは、視聴者とのあいだに共感や対話の空間をつくっていくことで成り立つメディアである。視聴者参加の番組は、その空間の広がりを示すものだった。ところが、地上波テレビからはそうした番組が消えている。芸人でもタレントでもない、普通の市民が難問に次々答えていく視聴者参加型のクイズ番組の消滅は、痩せ細っていく地上波テレビの象徴でもあった。ところが、テレビのそのエネルギーは衛星放送のなかに引き継がれていた。しぶとく、しかも、いかにも衛星放送らしく、奇形ともいえる超難問のクイズ番組として。これでは一般視聴者は答えられない、と言ってはいけない。いまや普通の市民がそれぞれに限られた分野とはいえ、専門知識を駆使して仕事をし、暮らしている。本作は、視聴者像の多様化、多極化に対応する衛星放送の可能性を、楽しく示している。(審査委員長・吉岡忍/ノンフィクション作家)