ずっと自分に自信がなかった
――先程、舞台は怖いけれど挑戦だというお話がありました。50代を前に、俳優活動の中で壁にぶつかったり、何かが足りないと思うような経験があって挑戦してみようと思われたのでしょうか?
何かが足りないということはずっと感じていました。自分に自信がないし、緊張によってパフォーマンスを落としてしまうことへの恐怖感があった。それをどうしたら克服できるか、色々な人に聞いていたんですけど、特に心に刺さったのは「TOKYO VICE」で共演したアンセル・エルゴートの「僕も自信がなかったけど、俳優として舞台に立った経験が自分を変えたから、舞台をやるべきだ」という言葉。そんなとき今回のお話を頂いたので、天の思し召しだなと思いました。
――すごくいいタイミングだったんですね。ご自分にずっと自信がないというのは、いつからですか?
本当にずっとです。特に舞台は、最後に出たときも嫌なまま終わってしまったので、そこに向き合って逃げずにやることが区切りになるというか、次のステップにつながると思いました。
――渡米もそういった理由からですか?
渡米は、もちろん自分に何か足りないと思ったこともあるんですけど、どちらかといえば子どもと向き合うためです。自分が幼少期、親に愛されてはいたけど入院生活が長くて、あまり親と一緒に過ごせなかったので、自分の子どもと向き合うことで、そこで失ったものを取り戻したいと思ったんでしょうね。
アメリカに行って気づいたことがあって。俳優としてグリーンカード(アメリカ永住者カード)をもらったんですよ。最初、英語も使えないし、アメリカで俳優の仕事があるわけじゃなかったから、職業を書く欄にも困ってしまったんですけど。でもそうじゃないんだ、何か表現したい思いがあれば俳優なんだ、と思いました。
同時にアメリカの現場だと、世界中から優秀なクリエイターが集まりやすい。一から…って言ったら大げさだけど、誰も僕を知らないところから人間関係を作ったり、スタッフの気持ちを掴んで「あなたと仕事してよかった」と言ってもらった経験は刺激になりました。自分自身だけじゃなく、周りのパフォーマンスも上げながら撮影に向かっていかないといけないんだと気づいたんです。僕はもしかしたら今まで周りの邪魔をしていたのかもしれないなと。
PARCO PRODUCE 2023『橋からの眺め』
【作】アーサー・ミラー【翻訳】広田敦郎
【演出】ジョー・ヒル=ギビンズ
【出演】伊藤英明 坂井真紀 福地桃子 松島庄汰 和田正人 高橋克実
9月2日(土)~24日(日) 東京都・東京芸術劇場 プレイハウス
10月1日(日) 福岡県・J:COM北九州芸術劇場 大ホール
10月4日(水) 広島県・JMSアステールプラザ 大ホール
10月14日(土)・15日(日) 京都府・京都劇場
公式サイト
https://stage.parco.jp/program/aviewfromthebridge
ぎふチャン『岐阜英明』
2023年9月2日(土)より毎週土曜日昼2:00-2:30公式サイト
https://www.zf-web.com/tv/variety/gifuhideaki/post.html
公式Twitter
@GifuHideaki/
ポニーキャニオン
発売日: 2011/04/05