コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、実話をもとに“高校時代の先生との思い出”を描いた漫画『マンガを描く度に思い出すアドバイス』をピックアップ。
本作の作者は、漫画家のかっぴーさん。2019年に実写ドラマ化され、アニメ化も決定しているヒット作『左ききのエレン』の作者としても知られており、2023月6月6日には『マンガを描く度に思い出すアドバイス』をTwitterに投稿。すると5.6万件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事ではかっぴーさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
得意な作文が「クセェ…!」と批判される
本作は、かっぴーさんの高校時代に遡る。カナダでの語学研修を経験したかっぴーさんとクラスメイトたちは、英語の先生から“その思い出”を作文にするよう伝えられる。
そこで作文に自信のあるかっぴーさんは、コーディネーターであるパトリック(パット)との思い出話を書くことに。何気ない日常描写の積み重ねから、一気にクライマックスへと向かう展開で、ラストシーンでは“パトリックとの別れのシーン”を書き綴ったかっぴーさん。
作文では、パトリックに「Good bye」と言ったことで、「“Good bye”は適切じゃない」「“See you”そう言うんだ」と訂正されたことが書かれている。そしてかっぴーさんはパトリックに言われた言葉を活かすために、「私はいつか立派な大人になってパットと再会するんだ」「その日までSee you」という言葉で作文を締めくくっていた。
一見きれいな終わり方にも見えるが、英語の先生はラストのセリフに対して、「こっからクセェ…!」と衝撃的な言葉を言い放つのだった。
先生が批判した理由は、“再会する気がないのに、心にもないこと”を書いていたため。「感動は読者の心の中で生まれるもの」「文章の上にある感動なんて程度が知れてます」と先生に言われたかっぴーさんは「格好つけて盛り過ぎました」と反省し、作文を書き直すことにする。
そして自分の席に戻ろうとした時、先生は言葉を付け足すように「パトリックはお見通しだったと思いますよ」「二度と会いに来ない日本の若者にパトリックは“See you”と言ったんです」と伝えるのだった――。
“文章を書く上で大切なこと”について思わず考えさせられる本作。ネット上では、「先生の言葉が深くて胸に刺さった」「アドバイスが核心をついていて、とても勉強になる」「読んだ後の余韻がすごい」「色々考えさせられる漫画だね」「先生の歯に衣着せぬ言い方が好き」などのコメントが寄せられている。
かっぴーさん「表情は何度も描き直します!」
――『マンガを描く度に思い出すアドバイス』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
自分が何度も思い出していたエピソードなので、「描いてみたら読む人がいるんじゃないか」と思い描きました!
――本作では、英語の先生が的確にダメ出しをするシーンがとても意外で印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
4ページに収めることです!
――本作で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
最後のページから逆算して描きました!
――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?
生活の全てがアイデアのもとになっています。
――かっぴーさんの作品は、魅力的なストーリーはもちろん、読者に伝えたい“明確なテーマ”をもとに描かれているようにも感じました。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
表情は何度も描き直します!
――今後の展望や目標をお教えください。
面白い漫画を描きたいです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
夏は涼しい場所で漫画を読むことをオススメします!