RM、JIN、SUGA、J-HOPE、JIMIN、V、JUNG KOOKの7人からなるボーイズグループ・BTS(防弾少年団)の懐かしいライブ映像が、7月28日にディズニープラスで配信された。ラインアップは「防弾少年団 1st JAPAN TOUR 2015『WAKE UP:OPEN YOUR EYES』」「2015〈花様年華 on stage〉〜Japan Edition〜at YOKOHAMA ARENA」「2016 BTS LIVE 〈花様年華 on stage:epilogue〉〜Japan Edition〜」で、“学校三部作”から“青春三部作”へと成長していく時期の若かりし姿が見られる貴重な3本になっている。そこで、今回は各ライブとその背景について解説する。(以下、ネタバレを含みます)
圧倒的な人気を誇るBTSの1st日本ツアー
2023年にデビュー10周年を迎え、貫禄たっぷりな世界的ボーイズグループになったBTS。2023年8月時点では7人のうち、JINとJ-HOPEが兵役中で、現在はソロ活動を中心に行っている。しかし、それでも彼らの勢いは衰えず、JIMINは2023年3月に発表したソロ曲「Like Crazy」で、米ビルボードの「HOT100」にて韓国のソロアーティストとして初の1位を獲得。
4月に発売されたSUGAのソロアルバム『D-DAY』は発売初日にミリオンを達成し、アメリカをはじめとする世界67の国と地域のiTunes「トップアルバム」チャートで1位を記録。7月に発売されたJUNG KOOKのシングル「Seven feat.Latto」も米ビルボード「HOT100」の1位にランクインし、個人での強さも見せつけている。
今回配信されたライブ映像1本目の「防弾少年団 1st JAPAN TOUR 2015『WAKE UP:OPEN YOUR EYES』」は、2013年6月13日のデビューから約1年9カ月後の2015年2月に実現した初の日本ツアーのライブを収めたもの。2014年の6月にシングル「NO MORE DREAM」の日本語バージョンで日本デビューをしていたBTSは、続けて「BOY IN LUV」「Danger」の日本語版シングルを発売し、12月には日本1stアルバム『WAKE UP』をリリース。
日本ツアーは1stアルバムを引っ提げて行われたが、実は2014年10月から初の単独ワールドコンサートツアー「BTS 2014 LIVE TRILOGY : EPISODE ll THE RED BULLET」をスタートさせており、この「1st JAPAN TOUR」はその合間を縫うように2015年2月のわずか9日間に東京、大阪、名古屋、福岡で開催された。今回の映像は、そのうちの2月11日に千葉・幕張メッセで行われた公演の全曲ノーカット版となる。
「WAKE UP:OPEN YOUR EYES」では、「NO MORE DREAM」や「Danger」の日本語バージョンや日本オリジナル楽曲「THE STARS」「いいね!Pt.2〜あの場所で」「WAKE UP」も披露している。ライブでは全員が日本語でMCを行い、とてもフレンドリー。自己紹介のシーンでは、今やすっかりおなじみとなっているJ-HOPEの「I’m your hope. You’re my hope. I’m J-HOPE」やJINの投げキッスがまだ誕生しておらず、ごく普通にあいさつしているのが逆に新鮮だ。
オープニングを飾る「Danger」は当時の最新曲。ファッション的にはデビュー時よりマイルドになっているが、楽曲の根底にはヒップホップ魂を残しつつ、新たな挑戦に向けて模索している時期のようにも感じる。実はセールス的には前年8月に発表した『DARK & WILD』が思ったほど伸びず、RMが言うところの“苦い時期”に属するが、サービス精神旺盛なメンバーたちのちゃめっ気は健在。この先、「花様年華」で変貌を遂げるので、その直前のライブとしてもぜひ見てほしい。
BTSが世界中から支持されるきっかけに…“花様年華”の始まり
2本目は「WAKE UP:OPEN YOUR EYES」から約10カ月後の2015年12月9日に行われた「2015〈花様年華 on stage〉〜Japan Edition〜at YOKOHAMA ARENA」。まずは「花様年華」について紹介せねばならないだろう。「花様年華」とは、花のような年代=青春時代という意味で、人生で最も美しい瞬間という意味が込められている。
BTSはこの「花様年華」と題され、“青春三部作”と呼ばれる3枚のアルバム(『花様年華 pt.1』『花様年華 pt.2』『花様年華 Young Forever』)をリリースしており、ストーリー仕立てのMVを制作。その後、MVと共通した世界観を持つ漫画や小説が発表され、その中ではメンバーと同姓同名のキャラクターがオリジナルの設定で登場し、7人それぞれの青春時代が描かれた。この「花様年華」シリーズ/青春三部作は、BTSの新たな世界を構築し、世界中のファンを魅了した。
「on stage」は韓国と日本だけで公演し、日本公演では日本語曲を交えながら25曲を披露。しっとりとした「花様年華」らしい「Hold Me Tight」から始まり、「Danger」や「NO MORE DREAM」などBTSを象徴する楽曲を日本語で熱唱。「I NEED U」や「RUN」「Ma City」など現在も人気の楽曲を生み出し、自分たちらしい表現が見つかったためか、メンバーの表情も大きく変化している。途中で流れるメンバーたちへのインタビュー映像でも、「今が花様年華だ」と語っているメンバーが多く、充実感を得ていたのだろう。大きな転換期に立つメンバーの姿を見てほしい。
https://www.disneyplus.com/ja-jp/movies/bts-1st-japan-tour-2015-wake-up-open-your-eyes/
▼【公式】Disney+(ディズニープラス)で「2015〈花様年華 on stage〉〜Japan Edition〜at YOKOHAMA ARENA」を見る
https://www.disneyplus.com/ja-jp/movies/2015-the-most-beautiful-moment-in-life-on-stage/
▼【公式】Disney+(ディズニープラス)で「2016 BTS LIVE 〈花様年華 on stage:epilogue〉〜Japan Edition〜」を見る
https://www.disneyplus.com/ja-jp/movies/2016-bts-the-most-beautiful-moment-in-life-on-stage-epilogue/
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発売日: 2023/07/11