苑子は和真と蓮に厳しく、そして優しく諭す
苑子は和真の脳天をペシッと叩いて「あんたって子は!それが久しぶりに会った母親に言うこと?」と叱る。そして静かに「あなたたちは勘違いしてる。あの時も男同士だから怒ったんじゃないの。未成年のあなたたちが親に隠れて責任の取れないことしたからよ」と苑子が諭すと、和真も蓮も神妙な面持ちで納得する。
苑子は言いたいことを伝えると「和真、電話くらいちゃんと出なさい」と言って席を立つ。苑子が退室しようとすると、蓮が引き止めて「連絡します。和真と会いに行きます。本当は一緒にいたいんですよね。愛しているんですよね、和真のこと」と言う。
苑子は大きく手を振り上げた。叩かれると思って息を呑んで身をすくめた蓮の頭を優しく小突き、「あなたもおうちに連絡入れなさい。取り次いでもらえなくても、お父様のお耳には入るわ」と言って出ていく。蓮と和真は顔を見合わせてほほ笑むのだった。
10年前の出来事から真田の事件まで波乱に富んだ和真と蓮だったが、やっと本当の意味で結ばれて胸がいっぱいになった。一足飛びにシレッと指輪までしていて、歓喜とともに涙も溢れてくる。SNSでも「甘すぎる~‼!!」「てかまってペアリング?」「左手薬指の指輪に湧いた」と話題となった。
※高松アロハの「高」は、正しくは「はしご高」
◆構成・文=牧島史佳