声優としてTVアニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』などに出演、さらに映像作品や舞台俳優としても幅広く活躍する佐藤日向さん。お芝居や歌の表現とストイックに向き合う彼女を支えているのは、たくさんの本から受け取ってきた言葉の力。「佐藤日向の#砂糖図書館」が、新たな本との出会いをお届けします。
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近年の夏の暑さというのは本当に厄介だ。日差しをしっかりと浴びれば、まるでマラソンをした後のように疲れてしまうし、その疲れを癒すためにアイスや冷たい麺類が食べたくなってまう。そんな悪循環から抜け出せない今の私にぴったりの作品と出会った。
群ようこさんの「ゆるい生活」は群さんが体調不良をきっかけに通い始めた漢方薬局で体の不調は"水分"の摂りすぎが原因と発覚して食生活を見直す、タイトルにある通りの“ゆるい生活”がテーマのエッセイとなっている。
仕事をする時に「集中力を上げるためには甘いものだよね」と思いながらちょこちょことつまんで食べてしまったり、冷たい飲み物ばかり飲んでしまったり、自分の体を甘やかすことに慣れてしまいこういった行動をしがちではないだろうかと気付かされる瞬間が読んでいる中で多々あった。
私自身この書評の連載を書いてる時、集中をするためと言いながら甘い飲み物か温かいお茶と和菓子を食べてしまう節がある。甘いものを食べると血糖値が一気に上がるため、眠くなるし太るしで良いことが何もないのは頭で理解しているのだが、長年甘いもので自分の機嫌をとる癖がついてしまっている私は、ある意味自分を甘やかす天才なのかもしれない。だが、今はそれで良くても何十年後の自分にとってはよくない機嫌のとり方なのが本作を読み進めれば進めるほど実感した。
表紙が処方箋のようになっていて可愛いと思って手に取った本作だったが、ゆるい生活でありつつも私もこのくらいゆるくても良いのであれば自分に甘い私も食生活を見直すことができるかもしれないと感じた。
特に、作中で群さんがシャワーのみの生活をしていたら漢方薬局の先生からお湯に浸かってくださいと言われている場面があるのだが、お湯に浸かるという行為は私にとって不可欠だからこそ印象に残った。
私は幼少の頃からお湯には必ず浸かりなさいと両親から言われて育ったこともあり、遠征に行く時もどんなに忙しい時でもお湯に浸かる習慣がある。
生まれの山形は気軽にお湯に浸かれる施設が豊富だったこともあり、お湯に浸かることは私の中でリセットをする大切な時間なっている。漢方を飲めばそれで良いわけではなく、自分の行動を改めることで、ようやく漢方が効果を発揮するのだと本作で改めて理解した。
食事というのは体調に直結する。自分を甘やかすことは大好きだが、食べ物ではない何かで甘やかして、夏は頑張りすぎずゆるい生活を送っていきたい。
この書評を読んでくださった貴方が、頑張りすぎず、体が喜ぶものをなるべく摂取して暑さを乗り切れますように。
https://ddnavi.com/serial/sato_hinata/
佐藤日向(さとう・ひなた)
12月23日、新潟県生まれ。
2010年12月~2014年3月、アイドルユニット「さくら学院」のメンバーとして活動。卒業後、声優としての活動をスタート。主な出演作に『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』(星見純那役)、
『ラブライブ!サンシャイン‼︎』(鹿角理亞役)、『D4DJ』(福島ノア役)、『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』(暁山瑞希役)、『ウマ娘 プリティーダービー』(ケイエスミラクル役)など。ニコニコチャンネル「佐藤さん家の日向ちゃん」毎月1回生配信中。