“親世代”俳優は実力派ぞろい
“元工作員”の顔を持つ親世代の面々には、実力派がそろった。ボンソクの母で超人的な五感を持つイ・ミヒョンを「トンイ」のハン・ヒョジュ。今作では、“特性”を持ったわが子を案じる母の顔と、時を遡って1990年代、最年少要員として抜てきされた20代のエリート工作員としての顔を見せている。
ボンソクの父でボンソクと同じく飛行能力を持つベテラン工作員キム・ドゥシクを「その冬、風が吹く」のチョ・インソン。ヒスの父で、今はチキン店を営むが実は“モンスター”と呼ばれるほど無限の再生能力を持つチャン・ジュウォンを「エクストリーム・ジョブ」のリュ・スンリョン。怪力能力を持つガンフンの父イ・ジェマンを「D.P.-脱走兵追跡官-」のキム・ソンギュンが演じている。ストーリーが進むと、親世代の彼らの若かりし日の活躍や恋愛模様も描かれていく。
子どもたちの青春ストーリーに引き込まれる
第1話で早速、豪華な登場人物の多くが一挙に顔を見せ、“超能力”に満ちた世界観を存分に見せている。
序盤は、子どもたちがストーリーを動かしていく。ボンソクは、朝食のプルコギの匂いに喜んで目を覚まし、毎朝バスの運転手に律儀にあいさつするなど、素朴で生真面目なキャラクター。持っているのは誰もが憧れる“飛行能力”だが、寝ている間に浮遊してしまわないようベッドのかけ布団がトラックの幌のように金具で留められていたり、心浮き立つ出来事に興奮して足元が浮いてしまうと必死に円周率を暗唱して妄想をかき消そうとしたり…と、超能力を持つ高校生の日常がなんともリアルで、おかしみを誘う。
転校生のヒスはハキハキした性格で、ボンソクとは正反対。初対面からボンソクにタメ口で、バスに乗らずに走って登校するなど豪快なキャラクターだ。その一方で、男手一つで自分を育てる父を気遣い、塾に行かずに受験できそうなソウル市内の大学を志望するなどけなげな一面ものぞかせる。彼女も特殊な能力を持っているが、その力が発揮されるのはもう少し先の話。そして、顔よし、運動神経よし、成績よしの学級委員長・ガンフンもまた、特殊な能力の持ち主だ。
そんな3人が知り合い、少しずつ距離を近づけていく様子はまるで、青春ドラマのワンシーンのよう。特に、穏やかな性格のボンソクとハキハキしたヒスが仲良くなっていく様子が爽やかで、これから先の彼らのストーリーに興味をそそられる。
TCエンタテインメント
NHKエンタープライズ