鵜久森の発言の中にある“違和感”
文化祭を終えた後、九条は鵜久森がクラスメイトに言った言葉を思い返し、その中に“違和感”を覚えた。
不安になるクラスメイトに鵜久森はこう言った。「出来るよ。今回はまだ一週間ある」と。九条の人生一周目の時は文化祭前日に事件が起こった。しかし、二周目の今回は8日前。どう考えても、その発言は鵜久森が九条と同じように“二周目”でないと出てこないものだ。
その違和感をきっかけに、九条はこれまでの鵜久森の行動が“二周目”であることを裏付けるものが多かったことに気づく。
振り返ってみると、鵜久森が二周目であることに対して思い当たる節が
卒業式の日に生徒に突き落とされて始業式の日の教壇に戻った九条。その日の九条をじっくり観察するかのように見ていた鵜久森。放課後、九条を待っていたかのように廊下にいた鵜久森は「本当にそう(学校を変えようと)思っているんですか? だとしたら軽蔑します。寄り添うだけで私たちの世界を変えられると本当に思っているなら私は心底軽蔑します」と辛らつな言葉を投げかけた。
それによって九条の考えが変わった。世界を変えるためにはまず“自分自身”が変わるべきだと。
九条の考えが変わったことが分かったことで、九条を信頼し、自身も変わることを決意。その第一歩が第1話で見せた涙の告白だったのではないだろうか。
九条の考えを理解し、鵜久森は“友達”としてクラスメイトを説得
その後、鵜久森は九条と共鳴するかのように、殺害予告をした生徒たちと九条が話し合いをするのとリンクする形で、リーダー格の生徒に担任変更の嘆願書を命じられた優等生の東風谷(當真あみ)と阿久津(藤崎ゆみあ)を鵜久森は説得。
これまでの鵜久森の言動をさかのぼると、九条と同じく“人生二周目”ということが真実味を帯びてくる。
最後の場面で、鵜久森が東風谷から「私さ、もしかしたら鵜久森さんのこと、好きかもしれないんだ」と告白される。これは鵜久森が人生二周目だとして、一周目にはなかったことだろう。
人生二周目かもしれない鵜久森がキーパーソンであることは間違いないが、鵜久森によって考えが変わった東風谷も何かしら重要な役目を担っている、ということも考えられる。今後の展開がますます気になってきた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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