「ムービング」では胸を打つ友情シーンも
過去に我が子を亡くしたつらい過去を持つユリは、怪物との闘いで親を亡くした子どもたちを抱き締め、親代わりになることを決心するなど、壮絶な戦闘状態の中で細やかな感情表現を見せ、視聴者の涙を誘った。
そして2022年公開の時代劇ファンタジー大作「還魂」パート2では、主人公の一人チン・ブヨン役に抜てき。賢くて明るく、探求心のある姫チン・ブヨンに加え、ストーリーの後半では、その体に宿るもう一つの魂、思慮深く毅然としたナクスとしての人格も演じ分け、鮮烈な印象を残した。モデル出身とあって、2度登場する花嫁姿の美しさも格別だ。
そんなユンジョンが「ムービング」では、父譲りの“治癒能力”を持つ高校生チャン・ヒスを演じている。
幼い頃に母親を交通事故で亡くし、父ジュウォン(リュ・スンリョン)と2人で生きてきたヒス。男手一つで必死に自分を育ててくれる父を気遣う、けなげで家族思いの女の子だ。自分が不思議な力を持っていることは、いじめを止めようとして大勢の不良たちとケンカになった時に気が付いた。
そのケンカが原因で転校し、新しい高校で出会ったのがボンソクとガンフンだ。中でも、小太りでお人よし、いつもニコニコ笑っているボンソクとは妙に気が合い、友情を育んでいく。
ボンソクの持つ不思議な力を偶然知ってしまったヒスが「秘密を守るために、私の秘密も話す」とボンソクに自分の力を打ち明ける場面など、真っすぐな瞳とちょっと緊張したような声がヒスの誠実さをよく表していて、2人の友情に胸を打たれる名シーンだ。
SNSフォロワー510万人超!魅力は“覚悟をたたえた瞳”
彼女の真っすぐな瞳は、時にあどけなさを表現し、時にはどんな戦いにもひるまない強さをのぞかせる。一挙公開された「ムービング」第7話までのエピソードでは穏やかな高校生活が描かれ、ヒスたち子ども世代が敵と対峙(たいじ)するのはまだ先になりそうだが、ディズニープラス公式YouTubeチャンネルで公開されているインタビューでは、ユンジョン自身「愛する存在のために犠牲を選ぶ場面もある」とも語っている。「Sweet Home」や「還魂」でも見せた“覚悟をたたえた瞳”を、今作でも見せてくれるに違いない。
本人のInstagramがすでにフォロワー510万人を突破するなど、その美貌と演技力ですでに多くの韓ドラファンの注目を集めているユンジョン。スター大集合の大作「ムービング」にあって、フレッシュな存在感を見せる彼女の演技に注目したい。
「ムービング」は、ディズニープラス「スター」にて毎週水曜2話ずつ配信中。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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