コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回ピックアップするのは、X(旧Twitter)に様々な創作漫画を投稿している漫画家・穂高歩さんの『少年の復讐とラスボスの“譲れないモノ”』だ。
7月29日に同作が投稿されると、話題を呼んだようで1万7000の「いいね」が。また「バトル漫画かと思いきや、まさかのラブコメ展開」など多くの反響が寄せられた。そこで作者の穂高さんに、創作のキッカケや裏話について話を伺った。
少年と竜の“譲れないモノ”とは
剣士のルククは、全身に鎧を身にまとって巨大な竜と対峙していた。
ルククは強い執念のようなモノを瞳に宿しており、竜は“あるモノを始末するために負けるわけにはいかない”と、お互いに一歩も引かない激しい戦いを繰り広げる。
そしてルククの剣が竜に届き、トドメを刺そうという瞬間、ルククは涙ながらに自分の“譲れないモノ”について語り始めた。
ある日、ルククが剣の師匠(女性)に思いを伝えるべく、花束を持って師匠の家に向かっていた。しかし師匠は不在で、代わりに見つけたのは…ルククへの思いの丈を赤裸々に綴った日記帳だった。
長文過ぎる日記の内容にルククが引いていると、外から物音がきこえる。音の方に向かうと、そこにはボロボロになった師匠を口に咥えた竜の姿があった。
「許さねえ…お前だけは絶対に…」と抵抗する竜に剣を突き立て、トドメを刺す。すると退治したはずの竜は、まさかの“半竜化した師匠の姿”に変身していく…。
半竜化した師匠と一途に師匠を想い続けたルククに対し、胸をときめかせた読者が続出。ネット上には「半竜…最高すぎる」「もうハーフドラゴン作っちゃえよ!」といったコメントが相次いでいる。
“可愛いキャラクターとファンタジー性を含む作風の物が同じ画面上に存在している作品”をずっと描きたかった
――『少年の復讐とラスボスの“譲れないモノ”』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
自分は元々「敵対する者同士が実は美味しい関係性だったり、物語の中で美味しい関係性になる」という類いの話が好きです。また、可愛いキャラクターとファンタジー性を含む濃い作風の物が同じ画面上に存在している、という作品をずっと描きたくて、両者を上手く使ってできるだけ短いページで伝えられる作品を作りたい!と思っていた所から着想しました。
――描いた上で「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えて下さい。
作風における、前半のテンションと後半のテンションの落差です。自分はシリアスよりなファンタジーの作風も、ライトなラブコメよりの作風も両方好きなので、その2つを上手く共存させてギャップを楽しんで頂けないかな?と思い、こだわって差をつけながら描きました。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
師匠の日記です。多分長すぎてほとんどの方には全文読まれないんじゃ…?とは思いましたが、彼女は多分もっと度を越えた愛を他の日にもぶちまけているに違いないので、あれでも足りないと思いながら敢えてセーブせずに書きました。その方が師匠らしくていいと思ったからです。
――ラスボスを倒した後に出てくる竜化した師匠のビジュアルが特徴的ですが、描く際に意識したポイントやイメージしたものがあれば教えてください。
実はビジュアル上で特にモデルとなったキャラクターなどはいません。ただ、いわゆる半獣化したキャラクターはすごく好きなので、ネット上で見かけたそういったイラストなどを集めたりしていて、オリジナル半獣キャラの落書き等をよくしています。そういったところから自分の好きな要素をミックスして出来上がったデザインなんだと思います。角が片方折れているのがポイントです。左右非対称のデザインが好きなので!
――様々な反響があったと思いますが、特に印象的だった・嬉しかったコメントを教えてください。
「この後滅茶苦茶ひとつになったんですね」というコメントです。センシティブな笑いを想起させるコメントですが、伝わった!という感じがして嬉しかったです。
――今後の展望や目標をお教えください。
今回のようなショート漫画は今後も何作か描いて行きたいです。もしまた反響があれば、そこからもう少し長めの読切や連載に繋がるアイデアなども考えてみたいと思っております!
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
まずはたくさんの反響をいただき、本当にありがとうございます。今後とも、自分の好きなものをもっともっと形にして、お届けして行きたいと思いますので、是非とも、宜しくお願い致します!
また、もしご興味がありましたら、私の初連載作である『迷宮帝国の作り方 ~錬成術士はまず理想の村を開拓します~』(マッグガーデン)もご一読下さると嬉しいです!
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発売日: 2022/08/09
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