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劇団ひとり「もっともっと苦しくなりたい」、自分を信じる“折れない心”を保つメンタリズムを明かす

2023/09/01 08:30

劇団ひとり
劇団ひとり撮影=阿部岳人

劇団ひとりが主演を務める、アドリブで物語が進んでいく新感覚ドラマ「横道ドラゴン」がDMMTVで配信中。本作は連続殺人事件の解決に挑むクライム・サスペンスストーリーでありながら、各話に用意された捜査シーンが台本なしの全てアドリブという挑戦的な作品だ。無茶な芝居にも心の折れないメンタルの秘訣を聞くと、「つらさの先にある喜び」を大事にする劇団ひとり流の仕事の楽しみ方を語ってくれた。

劇団ひとりの提案で「フルアドリブ」のドラマに…「終始、やべえなと思っていました」


「横道ドラゴン」1話より
「横道ドラゴン」1話より

ーー「横道ドラゴン」に出演が決まったときはどういう心境でしたか?

一番最初の企画段階で「ある程度脚本があってその隙間をアドリブで埋めていってほしい」と言われたんですね。要はアドリブをやっても用意していた元の筋に戻っていくと。それだとアドリブの責任感があんまり無いし、「アドリブを受けてどんどん話が展開してどういう結末になるかわからないぐらい、何も見えない状態でやりたい」って僕がお願いしたら本当ににそれが実現したんです。だから用意されてるのは一番最初の3ページぐらいの台本だけで、そのあとアドリブでその結末を受けて、脚本家の上田さんが台本を書いてつないでいくという形になりました。

ーー劇団ひとりさんのアイデアがあって“フルアドリブ”のドラマの形になったということですね。それは・・・「やべえな」という気持ちはなかったんでしょうか?

終始ですね。終始「やべえな」と思っていました。どうなるのかわからないし、これ大丈夫かって思いながらずっとやってましたね。だからこそ今まで経験したことない現場でしたし、多分皆さんも出来上がりみて、「なんだこれ」っていうようなものができたんじゃないかな。あれは脚本書いてたらああは絶対にならないですからね

ーー完成版は見られましたか?「アドリブで作ったドラマ」の手応えはどうですか?

撮影は全部終わってるけど完成した一話しか僕は見てないんですよ。手応え的には…「あったりなかったり」ですね(笑)。「今日の撮影は本当に気持ちがいいアドリブができた」っていう瞬間もありますけど正直、それは稀で、大半が後悔の連続でした。

僕もある程度キャリアを積んできたっていうのもあって、“大失敗”みたいな現場は今はずいぶん減ってきたんですよね。そういう意味で言うと、この「横道ドラゴン」の現場は本当にいち新人の頃に戻ったかのようにあの失敗の連続でした。

ーーそんな時期が劇団ひとりさんにもあったんですね。

失敗したり、うまくいかなかったり、悩んだり落ち込んだりっていうのを改めて味わえるいい現場でしたね。この現場に入ったら誰もが初心者で、本当どうなるかわかんないどうしていいか分から
ないっていう。誰も上手にこなせないですよね。

真木よう子の印象は…「現場にいた人はみんな好きになっちゃう」

「横道ドラゴン」1話より
「横道ドラゴン」1話より


ーー劇団ひとりさんが演じた横道ドラゴンのぶっきらぼうでアウトローなキャラクターはカッコよかったですね。

一話の最初の部分はカッコ良かったんですけど、それがどんどん崩壊していきます。

ーー真木よう子さん、門脇麦さんも主要キャストで出演されています。アドリブで物語を進めていくって、役者さんとしては責任がすごく大きいと思いますが、みなさんプレッシャーはどのように捉えていましたか?

後々聞くとみんなすごい緊張してたって言っていました。僕も緊張してましたけれど、現場ではみんな虚勢を張ってそれを出さないようにしていましたね。

ーー1話を拝見したのですが…真木よう子さんの扱いがみなさんひどくないですか?(笑)

ひどいですよね~、本当に。僕はまだ気を遣ってましたけど、特に1話ゲスト出演のヒコロヒーですよね。真木よう子をなんだと思っているんだっていうぐらいね。でも、この現場は作られたことは振られたことはちゃんと受けなきゃいけないっていうようなねそういう暗黙の了解があるから、(アドリブを)否定できないですよね。

ーー真木さんは役柄的にも劇団ひとりさんと絡みもアドリブも多いですが、劇団ひとりさんが感じた真木さんのお芝居はいかがでしたか?

真木さんは本当に身を呈してやっていただきました。真木さんとは、実は共演するは初めてなんで、こんなことをやっていいのかななんて思いつつも、こちらの無茶に対して全力で応えてくださってね。あれを見てしまうと、本当に真木さんも門脇さんも、現場に行った人間はみんな好きになっちゃうじゃないですかね。

ーー劇団ひとりさんは色々な番組でアドリブの演技コントを披露されていますが、役者さんとお笑い芸人の方は考え方やスタンスが違いますか?

それはね全然違いますね。役者さんのアドリブは、そのキャラクターとその世界のルールにのっとった上でやります。芸人はそういうところは無視して「その場限り」のアドリブですね。つじつまが合わなくても面白さを優先する。実は全然毛色が違いますね。

ーーその毛色が違うアドリブが今回合わさって化学変化がありましたか?

いい化学変化もあれば悪い化学っていうのもあって、本当にいろいろな目線で楽しめる作品になっていますね。当然「即興コント」としても楽しめるけど、演者たちの冷や汗だったり、この苦しい状況をどう乗り切るのかっていうドキュメンタリー的な部分もあるし。それでいて上田さんの脚本があるんでね。ドラマとしてどういう展開になっていくんだろうか、果たしてこんなむちゃくちゃな話がこの先ドラマとして成立するのかっていうのを見事に脚本で回収してくれるので。意外とって言っちゃなんですがドラマとして筋を追っていくのも楽しめるんですよね。

下に続きます
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