――「ここは仮設と呼ばれた、オレらのホーム。」という作品のキャッチコピーがありますが、渡辺さんにとっての“ホーム”はどんな場所ですか?
パッと浮かぶのは地元の神戸。高校に入って、ちょっと家から離れたところに出るようになって見た海沿いの街のことを思い出します。
――半助、タツヤ、オカベは仮設住宅がある街で運命の出会いを果たしましたが、渡辺さんにとって大きな転機となったのはどんな出会いですか?
小さい頃から何かを作ることが好きだったんですけど、ずっと1人でやってきたんです。その中で、高校に入って今のバンド(黒猫チェルシー)のメンバーと出会ったのは大きな転機でした。それまで、自分が好きで追い掛けていたものを理解してもらえたことがなかったんです。メンバーが、好きなものを共有する喜びを教えてくれた。ものすごくありがたかったです。
そして、僕が映像作品に関わるきっかけをくださった田口トモロヲさんとの出会いも大きいです。田口さん自身が監督を務めた作品に僕を選んでくださった。その縁が今も続いて映像の仕事をしているという意味で大事な出会いでした。
◆取材・文=小池貴之
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