日本とウクライナのアニメ文化がつながる作品に
高塚は、本作の主題歌であるINIの「My Story」で作詞にも初挑戦。「ルスランの心情の変化を言葉にできたらいいなと思い作詞しました。ルスランにとってミラの存在がすごく大きいので、夢をかなえる上での大切な人の存在を言葉にできたらと。INIもファンの皆さんの存在が大きいので、重なる部分があると感じていました」と歌詞に込めた想いを明かす。
井上が、収録と作詞どちらが先だったのか質問すると、収録を全て終えた後に作詞したとのことで、「その分、ルスランのせりふも全てわかっているからこそ歌詞の言葉を作ることができたのではないかと思います」と振り返った。
ウクライナから戦争を機に日本へ避難してきた工藤は、今もなお首都・キーウに住んでいる家族や友人より激励の言葉を貰ったと言い、「ウクライナ版と日本語版の吹き替えをぜひ聴き比べしたい」と言ってくれたとのことで、「家族にとっても私にとってもうれしかったです」という素直な喜びの気持ちと、「日本とウクライナのアニメ文化がつながることが望みです」と、日本とウクライナへの強い想いを語った。
クラウドファンディングの成功で公開が実現
全国規模の劇場公開と日本語吹き替え版の制作を目指して開始したクラウドファンディングでは、約700人もの人々の賛同を得ることができ、約950万円の資金が集まった。
多くの人々の応援によって公開が実現した本作について問われると、高塚は「ウクライナの背景を知りながら、少しでも何か力になれたらと思っていた方々が参加してくれたクラウドファンディングだったと思いますが、たくさんの人の思いが詰まった作品ということを知って責任感もありましたし、僕自身も声優として参加できたことに嬉しく思いました」と答えた。
会場では、オレ・マラムシュ監督からのメッセージ動画も。監督は「日本でのクラウドファンディングの成功は、今のウクライナの状況下で、日本の方から大きな勇気をもらいました」と感謝を述べる。
監督からのメッセージ動画を受けて、高橋は「(日本語吹き替え版が)完成して監督の元まで届いて、やり切ったというような気持ちを今感じました」、井上も「音楽とかアニメーションは世界共通で伝わるエンターテイメント。たくさんの人の想いが形になったこの作品に参加できたことも光栄ですし、このような輪がもっと広がってウクライナへ届けば良いなと思います」とコメントした。
最後に、高橋が「今日一番最初に観ていただいた皆さんを皮切りに、これからこの作品と一緒に歩んでいけたらうれしいです」、高塚は「元々声のお仕事はしたいと思っていたので、本作のお話をいただいてうれしいと思うと同時にプレッシャーがありました。そんな中で一から支えてくださった皆さんにこの場を借りて感謝の気持ちを伝えたいです」と感謝の気持ちを伝え、温かい拍手とともに舞台あいさつは幕を閉じた。
※高塚大夢の高、正しくは「はしごだか」
ワニブックス
発売日: 2023/08/30