コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回はおのでらさんの『修羅場にメリーさんから電話が来る話』をピックアップ。
作者のおのでらさんが2023年8月9日にX(旧Twitter)に投稿したところ、締め切りに追われる漫画家の切羽つまった様子やラストに訪れるまさかの展開が話題を集め、8.0万以上の「いいね」が寄せられる大反響となった。この記事では、おのでらさんにインタビューを行い、創作の背景やこだわりについて語ってもらった。
締め切りほど怖いものはない…切羽詰まった男にビビるメリーさんがかわいいと話題
ある夜、原稿の締め切りに追われた男のもとに非通知電話が鳴った。電話に出てみると、「わたしメリーさん…今…ゴミ捨て場にいるの……」と見知らぬ声が聞こえてくる。
普通であれば"怖い"状況だが、男にとってはそんなことよりも締め切りの方がよっぽど怖いようで「誰だよ!」と声を荒げる。そんな男にビビりながらもメリーさんは男の家に徐々に近づいていくのだった。
メリーさんが家に着き電話をかける頃、男は夢の中にいた。着信音で寝落ちから覚めた男はメリーさんに対しまさかの対応をし…。
メリーさんが霞むくらいに締め切りに追われている男の物語を描いた本作。X(旧Twitter)上では「最高すぎるオチ」「ほんと笑った」「裏をかかれた」「妖怪より人間の方がよほどホラー」「漫画家って大変やな」「こんなメリーさんなら来てほしい」「メリーさんかわいい」など多くのコメントが寄せられている。
「オマージュ元がある作品は原作の要素をいかに自然に取り入れるか」作者・おのでらさんが語る創作の背景とこだわり
――『修羅場にメリーさんから電話が来る話』は8.0万を超える「いいね」が寄せられ大きな話題を集めました。今回の反響について率直なお気持ちをお聞かせください。
嬉しいですね。私自身あまり女の子を描くのを得意としていないのですが、メリーさんがかわいいというコメントが多くて良かったです。
「締め切りーさん」 というネタがちゃんとウケてたのも良かったです。
――『修羅場にメリーさんから電話が来る話』を創作したきっかけや理由があればお聞かせください。
最初に思い浮かんだのが「メリーさんではなくシメキリーさんが近づいてくる」というネタだったんですけど、これだけだとちょっと話が作りづらかったんですよね。なので色々考えた結果「メリーさんが近づいてくるけどそれよりもっと怖い締め切りーさんに追われている男」の話にしよう!という結論に落ち着き描きました。
実際締め切りがギリギリの時だったら多少の怪奇現象とかどうでも良くなると思います。幽霊が出ようがメリーが来ようがそれどころじゃないので。
――本作では、本来恐ろしい存在のメリーさんが恐れるほどの男性の切羽つまり具合が面白くも妙にリアルに描かれています。おのでらさんも主人公のように原稿に追われて切羽つまる経験があったのでしょうか。
大体追われてますね。単行本作業しかり同人しかり。コミケ童話では締め切りに追われておかしなことになるキャラクターが複数出てきますが大半は私の実体験ですし、多くの作家の実体験になってると思います。
――本作の中でおのでらさんにとって特に思い入れのあるシーンやセリフがあれば理由とともにお聞かせください。
3ページ目の「うるせー!」の顔ですね。いい顔が描けたので。
最後のページの振り返った顔もいいですね。怪異より怖い人間というのはホラーでもギャグでも重要な存在なので。
――おのでらさんにとって創作全般においてのこだわりや、物語を創り上げる上で特に意識している点がありましたら教えてください。
まずは自分で面白いと思えるかどうかが第一。またコミケ童話のようにオマージュ元がある作品の場合は原作の要素をいかに自然に取り入れるかですね。
あとはセリフが無限に多くなってしまうタイプなので、セリフが多くても漫画として読みやすくなるように頑張ってます。
――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
まだまだ新作や続編、Twitter上でのエッセイ漫画なんかも描きたいネタがたくさんあるのでぜひ楽しみにしていてください!