声優として数々のアニメ作品でメインキャストを務め、アーティストとしても活躍する水瀬いのりが、9月13日に12thシングル「スクラップアート」をリリース。表題曲は自身も崎宮ミサキ役で出演するTVアニメ「デッドマウント・デスプレイ」第2クールのオープニングテーマとなっている。今回はニューシングルのことや声優と歌手活動への想いを聞いた。
挑戦的なアッパーチューンを自分なりに解釈して表現
――新曲「スクラップアート」が、TVアニメ「デッドマウント・デスプレイ」第2クールOPテーマに決まった時の想いを聞かせてください。
今作は、崎宮ミサキというキャラクターとしても声を担当させていただいている作品です。第1クールでもEDテーマを担当させていただいたので、1クール、2クールでエンディング曲とオープニング曲それぞれを担当できてとても嬉しかったです。作品の色を楽曲に落とし込むことで、表現の幅を広げることができました。今回のタイアップのおかげで、アーティストとしてさらに成長できたと思います。
――崎宮ミサキ役を演じる水瀬さんがOP曲を担当するにあたって、作品とリンクするように工夫したことがあれば教えてください。
崎宮ミサキちゃんというよりは、主人公である四乃山ポルカ君を参考にしました。ポルカ君は異世界転生して、最初は一人ぼっちの状態。ミサキちゃんや匠くんに出会い、次第に心境の変化があって仲間になっていく…そういったストーリーからヒントを得て発想を膨らませていき、作品を意識しながら歌で表現しました。
――新曲「スクラップアート」を最初に聴いた時の印象はどうでしたか?
すごく挑戦的なサウンドだなと感じました。これまでの私の楽曲にはなかった題材で、メッセージ性の強い歌詞に心をグッと掴まれましたね。少しアンダーグラウンド感があって、影のある世界で生きている人にとって救いになるような曲だなと思いながら聴かせていただきました。
――曲を歌うにあたって、ご自身で歌詞の内容を解釈したうえで表現するようにいつも心がけているのでしょうか?
そうですね。いただいた楽曲は自分の中で落とし込んで、自分なりの解釈を持ってレコーディングに行くことが多いです。今回の曲を提供してくださった栁舘周平さんには、過去にも曲を作っていただいていて。楽曲を制作する前に原作やアニメを見て、頭に浮かんだ言葉やイラストを私たちの制作チームに共有してくださるんです。そのおかげで曲への理解が深まって、それが自分自身の表現に繋がっていると思います。
オリジナルキャラクターくらりちゃんの歌「最初は乗り気じゃなかった」
――MVでは黒の衣装とブルーのドレスが印象的でしたが、ビジュアルイメージには水瀬さんの意見が反映されているのでしょうか?
そうですね。事前にミュージックビデオの撮影プランを見せていただくんですけど、それに対してこうじゃない!とかそういうのは全然なくて。スタイリストさんやメイクさんには、すごく助けていただきました。「スクラップアート」というタイトルに繋がるビジュアルになっていて、特に黒の衣装やネオンな感じがとてもお気に入りです。
――MVでは、クールに歌唱をしていた最後の大サビでふっと一瞬水瀬さんの笑顔が出てくるのが印象的でした
元々決まっていたわけではなくて、自分で意識的にやりました。今回の曲では「愛を知る」という歌詞が出てくるので、知らなかったことを知る喜びや安堵感を表情で見せたいという想いがあって。そこで笑顔を見せてみたら、無事採用されました。監督の多田さんにすごく褒めていただいて、とても安心しながら撮影することができました。
――カップリング曲「くらりのうた」は、水瀬さんが生み出したキャラクターくらりちゃんの歌ですね。制作に至った背景を教えてください。
プロデューサーの方から「くらりちゃんの歌を作ってみませんか?」という提案があったのですが、最初はあまり乗り気ではありませんでした。でも、昨年のツアー時に作ったくらりのマスコットチャームを皆に振って欲しいという夢があって。くらりの歌があったら、その夢を実現できるかもしれないと思い、制作しようということになりました。
――くらりちゃんはファンクラブの中で生まれたキャラクターですね。具体的にはどういった流れで誕生したのでしょうか?
アーティスト活動をする中で、元々キャラクターを作りたいなという想いがありました。2019年にアルバムを制作している最中に、歌詞カードの裏に落書きを書いていたんですよね。それがそのままキャラクターになりました。(笑)他には「いのり」という名前からイノシシのキャラクターも描いていたんですけど、それだとインパクトが強すぎるなと思って(笑)。次点で好きなクラゲならキャラクターのイメージに合うなと思い、いのりちゃんのクラゲの友達で“くらりちゃん”という名前にしました。
――もう1つのカップリング曲「While We Walk」の聴きどころを教えてください。
「While We Walk」も栁舘周平さんが作ってくださった楽曲で、WWWシリーズの3作目になっています(2017年「Winter Wonder Wader」、2020年「Well Wishing Word」)。今までのシリーズ曲を聴いてくださっている方にとっては、聞き馴染みのあるフレーズも多いかと思います。過去作と合わせて3曲並べて聴いていただくと、私自身の歌声の成長や時の流れを感じることができます。そういった世界線の繋がりが、この楽曲の聴きどころです。3曲続けて聴くことで、別れと出会いの意味を感じていただけたらと思います。
――ニューシングルの制作期間のエピソードがあればお聞かせください。
今回のシングルは3曲入りで、そのうち1曲がタイアップソングです。タイアップの曲は他の曲よりも納期が早くて、最初に完成させました。その後に他の2曲を進めていったので、「スクラップアート」だけ既に聞き馴染みのある曲になっています。そういった意味では、タイアップの時は普段とは時間軸が違うなと思います。今作の制作期間では、ずっと曲のことを考えていましたね。
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