竹野内豊と山田孝之がW主演を務める映画「唄う六人の女」が10月27日(金)に公開される。公開に先駆け、9月16日に撮影地となった京都府南丹市でプレミア先行上映会が開催。上映前のトークセッションに山田をはじめ、アオイヤマダ、武田玲奈、桃果、石橋義正監督らが登壇した。
大自然の中での撮影に出演者たちも満足げ
まずは、石橋監督が、南丹市美山町の原生林を撮影場所に選んだ理由を尋ねられると、「全国の森を回りましたが、原生林で感じたことをそのまま伝えるには、原生林の中で感じた演技や感情が画面に出てきて初めて伝わると思ったからです」と原生林での撮影への思いを明かした。そんな原生林の魅力を聞かれた山田は「気持ちよかったです」と言い、「僕が演じた役はひどいことも言いましたが、素敵な環境で撮影させていただいた」と自然への感謝の思いを述べた。
また、アオイは「私は原生林には入っていませんが、ここは本当に東京と空気が違う。美山での撮影の時に、鮎がたくさん獲れると聞いたので鮎の佃煮を買って、夫に作ったお弁当がこちらです(笑)」と、自身が着用している、鮎の佃煮が入ったお弁当の写真がプリントされたワンピースを披露すると観客からは拍手が起こり、登壇者からも驚きの声が上がった。
武田も「こんなに緑って深いんだと感じましたし、都会では感じられない自然の大きさを感じました」とコメント。撮影時に原生林に入れなかったという桃果も「(原生林に)入りたかった。自然の中に入ると空気が良くて癒されます」と自然への思いを語った。
山田孝之、今回の演技は「憂鬱だった」
今回のステージには、撮影地となった芦生の森の再生に取り組んでいる任意団体・芦生タカラの森の代表の鹿取悦子氏も登壇。
本作に特別な許可を出した経緯について鹿取氏は、「映画のストーリーが自然を守るということだったので許可を出したと伺っています」と話した。
それを受けて監督は、「自然とどう生きていくかがテーマ」と言い、「僕は、人間は何のために生きてきたのかずっと考えていて、その気持ちをこの映画にぶつけた。人間は生きていくとどうしても環境破壊をしてしまう。でも、未来は自分たちの生き方によって変わっていく。前向きに皆で考えていくべきだという思いをこの映画にしました」と映画の成り立ちについて熱い思いを述べた。
さらに、山田のキャスティングについて監督は、「12年前の『ミロクローゼ』の時に一人三役で、アクションも殺陣もあってと無理難題を言いましたが、フルパワーでやってくださって。この映画もファンタジックだけど、役者の演技でリアリティを出さなければいけないと思ったので、山田さんにお願いしました。素晴らしいパフォーマンスを見せてくださった」と絶賛。また、6人の女のキャスティングについては、「この人のことが頭から離れないというような魅力がある方にお願いしました」と明かした。
監督のオファーを受けた山田は脚本を読んで「面白い。忘れてしまいがちな深いメッセージがあって」と感じたそうだが、役を演じることは「すごく憂鬱(ゆううつ)だった」と告白。「気持ちを入れて役になってせりふを出して、その瞬間に誕生したような気になるんですが、今回はこの人にはなりたくないと思って。でも、全力でやらないと伝わらないと思った。憂鬱ではありましたが、ちゃんと仕事したと思います(笑)」と振り返った。
10月27日(金)、TOHO シネマズ日比谷他、全国ロードショー
配給:ナカチカピクチャーズ/パルコ
コピーライト:(C)2023「唄う六人の女」製作委員会