2023年4月に日本テレビに入社し、7月にデビューを果たした新人アナウンサーの住岡佑樹、渡邉結衣、山本里咲。入社から約半年経った今、視聴者により良い情報を届けていきたいと3人それぞれ奮闘していた。そんな3人にアナウンサーという職業を目指したきっかけや、今後担当してみたい番組など語ってもらった。
ナチュラルさ、集中力、好奇心で乗り越えた就職活動
――アナウンサーを目指したきっかけを教えてください
渡邉:小学6年生の時、入学式で在校生代表あいさつをしたことです。新入生は緊張した面持ちだったのですが、私のあいさつを聞いてすごく楽しそうな表情に変わったんです。その時、自分の言葉や声で何かを伝える職業ってすてきだなと思い、目指し始めました。
住岡:私は元々テレビが大好きで、最初は制作側に興味を持っていました。ですが大学2年の春にコロナ禍に入り、ちょうど自分の就職活動について考える時間と重なりました。コロナ禍で不安な中、藤井貴彦アナウンサーが「news every.」(毎週月~金曜昼3:50-夜7:00、日本テレビ系)で毎日優しい言葉を視聴者の方に届けていて、それを見たときに「こんな風に人の心に寄り添える職業に就きたい」と思い、目指し始めました。
山本:小学生のころ、テレビを見ていた母が「アナウンサーってかっこいいよね」とポツリとつぶやいたのを聞いて、「あ、アナウンサーってかっこいいんだ」と意識したのが1番初めのきっかけでした。そこから将来の夢はアナウンサーになり、「アナウンサーになるには、どんなことができたらいいのか」をすごく考える様になりました。また、中学時代、所属していたハンドボール部で取材をしていただいたことがあり、その記事を学校のみんなや保護者がすごく楽しみにしてくれて、学校全体が活気づいたのを感じました。誰かにフォーカスを当てて、何かを伝えていく仕事はすてきだなと思い、アナウンサーの道を志しました。
――その中でも日本テレビのアナウンサーを選択した理由を教えてください。
住岡:日本テレビは番組制作をやりたいと思っていた頃から1番好きな局でした。私は富山県出身なのですが、高校1年生の時、東京に社会科見学をしにいく機会があり、その時に日本テレビを見学し、あこがれが強くなりました。また子どものころから24時間テレビが大好きで、「人の心に寄り添えるようなテレビ」が私の理想だったので、日本テレビを志望していました。
渡邉:中学時代、バスケットボール部に所属していたのですが、片道1時間かかる学校に通っていたこともあり、朝練に行くためにかなり早起きをしていたんです。そんな中、いつからか毎朝「ZIP!」(毎週月~金曜朝5:50-9:00、日本テレビ系)を観るようになり、そのまま自然に日本テレビを観ることが多くなりました。好きな番組も増えていき、いつの間にか日本テレビの大ファンになっていました。中学校卒業時には「私の夢は日本テレビのアナウンサーになることです」と学校通信に書いていて、その頃から日本テレビのアナウンサーを志望していました。
山本:日本テレビの活気があってスポーツマンシップにあふれている雰囲気がすごく好きだなと思っていました。私自身もずっとスポーツをやってきていたのもあって、その活気に惹かれて、第一志望はずっと日本テレビでした。
――かなりの倍率をくぐり抜けて、日本テレビのアナウンサーになられたと思います。ご自身が思う誰にも負けない武器や強みを教えてください。
住岡:「ここぞという時の集中力」だと自分では思っています。小学2年生から大学4年生までずっと野球をやってきて、練習も含めるともう何万回も打席に立ちました。直前までは緊張するタイプなのですが、何万という打席を経験して、勝負所でこそ集中できるようになりました。いざ打席に立つと“やるしかない”と集中できるのが強みです。
渡邉:自分では「好奇心が旺盛なこと」と思っていて、自分がやってみたいことや、少しでも気になったことにはすぐトライします。例えば手話や、今は韓国語も勉強していて、新しい世界に飛び込むのが大好きなので、そこは自分の強みと感じています。
山本:「ナチュラルさ」かな…?と思います。自分をかっこよく見せようとしてしまっていた時もありましたが、何事も全力で笑って全力で楽しみ、いつからか「相手に感じてもらえた色が自分の色なんだ」と思えるようになりました。いい意味で肩の力が抜けて、等身大の自分でいられるようになったと思います。なので、この「ナチュラルさ」が武器になるのかなと思っています。もちろん、できる努力は怠りません!
デビュー当日は「意外とリラックスして本番に臨めました」
――7月に地上波デビューをされましたが、デビュー当日の心境はいかがでしたか?
渡邉:絶対に緊張すると分かっていたのですが、当日はアナウンス部の先輩にたくさん励ましてもらえたおかげで、意外と本番はリラックスして臨めたと思います。あとはやはり、同期2人の存在が大きかったです。2人の顔を見るとすごく安心しました(笑)。
山本:私は前夜の方が緊張してソワソワしていたのですが、当日の朝は意外にも落ち着いていました。ただ、スタジオに入ってから私たちの本番が始まるまでがあっという間だったので、その時間で一気に緊張したのを覚えています(笑)。
住岡:前日は「失敗したらどうしよう」とすごく緊張していて、考え過ぎて眠ったせいか、デビューする日の夢を見たんです。本番前のヘアメイクで、個性的な髪型にされるという夢だったので、朝起きた時は「奇抜な髪型にされないなら、もう何も怖くない」と、自分の中でのハードルを下げることができ、落ち着いて本番を迎えることができました。
――ご自身でデビュー日の放送をご覧になっていかがでしたか? また反響などはありましたか?
住岡:まずは髪型が奇抜じゃなかったことに安心しました(笑)。放送を見て、やはり顔は緊張していると感じましたが、それ以上に地元の富山で見てくれた家族や、地元の近所の方々が盛り上がってくださったようで、そういうのを聞くと本当にありがたいなと思いました。
渡邉:私は「ZIP!」の“AKATSUKIスロー”という、バスケットボールのチャレンジコーナーで運良くゴールを決めることができて、入った瞬間すごくうれしそうで…(笑)。楽しそうな自分が映っていました。周りからの反響で言うと、地元・岡山に住んでいる祖母が、一生懸命録画をして、近所のお友達と何度も見たと聞いて、すごくうれしくなりました。
山本:はじめに自己紹介する時、見るカメラを間違えてしまったので、いろんな方から「カメラを間違えてたね」とメッセージをもらいました(笑)。私自身は、本番は落ち着いていたつもりだったのですが、やはり少し顔がこわばっていたなと感じました。それでも笑顔で臨めたので、元気はあったのではないかな、と思います(笑)。
――入社して約半年ほど経ちますが、アナウンサーのやりがいは実感されていますか? また大変だなと感じる部分はありますか?
渡邉:仕事内容も多岐にわたり、その1つ1つがすべて初めてという段階なので、難しく感じています。先日ニュース読みのデビューをして、台風のニュースを伝えたのですが、ふと「台風って…なんだ?」となり。防災報道の研修もたくさん受けたので、自分では理解したつもりでしたが、風の強さの基準など理解していない部分もあると痛感しました。人に何かを伝えることの難しさを実感しましたし、同時に、自分の言葉で情報を伝えられるアナウンサーという仕事に、やりがいも感じました。
山本:言葉を1つ発するにも、伝える先にどのような意味があるのか、というのを考えながら話すことが難しいと感じます。その言葉が日常会話で何気なく使用する言葉だったとしても、本当に正しく使えているのか…?ということを逐一確認するようになりました。今は特に言葉の意味やルーツ、知らなかったことなどを調べて追究するところに楽しさとやりがいを感じています。
住岡:日本テレビのYouTubeチャンネルに自分が読んだニュースが配信されるのですが、そのコメント欄がニュースに関するコメントで溢れていたんです。研修では、先輩から自分のニュース読みの“技術”について指摘をもらっていましたが、このコメント欄をみたとき、ニュースの“内容”に関心があった方が聞いてくださったんだと、アナウンサーとしてのやりがいを感じました。それと同時に、すべての仕事に当てはまると思いますが、誰かのためになる仕事だからこそ、責任が伴う大変な仕事だと思いました。