長らくテレビを見ていなかったライター・城戸さんが、TVerで見た番組を独特な視点で語る連載です。今回は『いいすぽ!』(フジテレビ)をチョイス。
知らないゲームを眺める楽しさ「いいすぽ!」
たまにYouTubeなんかで、知らないゲームのプロプレイヤーの動画を眺めたりしている。ルールを知らないから、このプレイヤーが一体なにに悔しがっていて、なにに喜んでいるのかまったく分からず、文字通り「眺める」だけの鑑賞なのだが、これが不思議と楽しいのだ。たとえば『マインクラフト』なんか、”上手い”と”下手”の境目もよく分かっていない。マインクラフト、プレイ済みの人が多いだろうが、まったく知らないという人いれば是非「神プレイ集」と検索して見てみてほしい。何が凄いのか分からなすぎて思わず笑ってしまうこと間違いなしだ。
そんな私は、『ロケットリーグ』という日本ではほとんど人気のないゲームに熱中している。通称ロケリ、簡単に言えばラジコンでサッカーをするゲームで、世界大会ではかなりの盛り上がりを見せているのだが、知らない人から見れば、あんなにマヌケなゲームも無いだろう。ルール自体はサッカーと一緒なので分かりやすいものの、小さな車が大きなボールに向かって飛んだり、壁や天井をブーンと走ったりしているからだ。世界一面白いゲームであるにも拘わらずイマイチ人気が出ないのは、そういう部分も影響しているのかもしれない…。
さて、いつも通り、知らないゲームのプロプレイでも見るか…と再生した『いいすぽ!』は、その名の通りE-Sportsを題材とした番組で、今回鑑賞した9/21(木)放送分の内容は、ラスベガスで開催された世界最大の格闘ゲームの祭典EVO(Evolution Championship Series)の現地リポート。リポーターを務めるのはグラビアアイドル・松嶋えいみ。鉄拳7プレイヤーの『AO』と、ギルティギアプレイヤーの『ちゅらら』という2人の日本人に密着し、大舞台での彼らのプレイを紹介する。
鉄拳は学生時代に少しやったことがあるけども、ギルティギアは格ゲーだってことすら初めて知ったくらいで、しかし格ゲーなんで見ていて不思議なところはひとつもない。分からなさを楽しもうという当初の姿勢に反して気持ちよく鑑賞することができた。
もちろん相場を知らないんでプロの動きの上手さなんかは見ただけじゃ理解できないのだが、にしても格ゲー上手い人って憧れるなーと改めて思う。相手の動きを見る動体視力だったり、対戦ゲームとしての理論だったり、メンタル面だったり、単純なテクニックだけじゃ決して勝てないわけで、私に苦手な要素ばかりが必要とされている。私は学生時代から『龍が如く』シリーズを欠かさずプレイしてきてるのに、相手の攻撃に合わせて△ボタンを押すカウンター技“虎落とし”を未だに決めることができない。『ダークソウル』でもパリィがどうしてもできなくて投げたし、『ブラッドボーン』はパリィ未使用でなんとかクリアしたし、ついでに言うだけで話とは何の関係もないがギターもFコードが押さえられなくてやめた。とにかく、タイミング良くボタンを押すということができない。然るべき瞬間に決まったボタンを押せる人というのを私は常に尊敬している。あとFを押さえられる人。