瀬ヶ崎がしおらしく「ごめんな」と言ったと思うと…!
屋上に瀬ヶ崎が上がると案の定、葉は居た。土砂降りの雨の中、一生懸命洗濯物を取り込んでいた葉が瀬ヶ崎に気づく。台風が来ているのに取り込むのを忘れていた言い訳をする葉。
葉が出て行こうとしてるんじゃないかという思いに駆られた瀬ヶ崎は「勝手に出て行ってんじゃねぇよ」と言うが、激しい雨の音で葉には聞こえない。「俺はお前がいねぇとうまく呼吸できねぇんだよ」と言って、雨の中何度も何度も葉にキスする瀬ヶ崎。「こんなとこ居たらあぶねぇだろ」と瀬ヶ崎は葉の手を強引に引いて部屋に戻る。
葉が髪をタオルで拭いていると、瀬ヶ崎が後ろから抱きついてきてしおらしく「ごめんな」と言う。葉は驚いて「初めて聞いた」と嬉しそうに笑う。しかし、瀬ヶ崎は「お前を信じてそのままにしていた俺がバカだった」と言って葉の手を取って両手をシャツで縛る。
両手を縛られたままベッドに寝かされて怯える葉に向かって、瀬ヶ崎は「ほんとはこういうのしたくねぇんだわ。でも仕方ねぇよな。お前が勝手に出ていかねぇようにしないと」と葉を見下ろして言う。
そして、葉に顔を寄せて、「結構、似合うじゃん」と不敵に笑うのだった。
葉が離れていくのじゃないかと瀬ヶ崎のほうが怯えて必死になっている様子が切なくも嬉しくなってしまう。葉に執着して束縛してヤンデレ化する瀬ヶ崎にゾクゾクとしてしまった。
◆構成・文=牧島史佳