マーベル・スタジオのドラマシリーズ「ロキ」シーズン2の第1話「ウロボロス」が、10月6日に配信された。シーズン1は、「アベンジャーズ/エンドゲーム」で逃亡したロキ(トム・ヒドルストン)が時間変異取締局“TVA”(Time Variance Authority)に捕らえられ、時系列を乱す変異体として抹殺されるか、より大きな脅威を阻止するために時系列の修正に協力するかの選択を迫られるところから始まり、MCUの歴史を紡ぐ神聖時間軸が崩壊するという衝撃の展開で幕が下ろされた。シーズン2は、闇の監視組織TVAで統制されていた“世界の時間“の崩壊によって、無数に生まれた世界が衝突し、もはや制御不能の大混乱に陥っているという状況からスタートした。“愛されヴィラン”として日本でもそうだが、本国アメリカで大人気のロキ。待望の続編登場に、配信開始直後には「#Loki」が米国のX(旧Twitter)トレンドランキングでベスト10入りする反響を集めた。(以下、ネタバレがあります)
「ロキ」とは何者?
シーズン2の物語に入る前に、あらためて主要人物を紹介すると、今作の主人公は“悪戯の神”であり、アベンジャーズの一員である“雷神ソー”の弟・ロキ。“裏切り王子”とも呼ばれるロキの策略と陰謀が、王国中に大混乱をもたらしてきた。メビウス・M・メビウス(オーウェン・ウィルソン)はTVAの捜査官で、特に危険な“時間犯罪者”の捜査を専門としている。TVAに専門家として参加したロキが裏切らないように見張る役割を兼ねて共に行動しているうちに、友情のようなものが生まれた。
ラヴォーナ・レンスレイヤー(ググ・バサ=ロー)はTVAの判事でメビウスの上司。ハンターB-15(ウンミ・モサク)は、TVAの実働部隊“ミニットメン”を率いる上級ハンター。部隊を倒した変異体を見つけ出して抹殺することを決意している。兵士(ミニットマン)は“タイムスティック”と呼ばれる棒を使って、別時間軸に分岐した者を神聖時間軸に戻したり、“リセットチャージ”というカプセルで発生した時間軸を消滅させたりしている。枝分かれした別時間軸を刈り取るという意味で、この措置は“剪定(せんてい)”と呼ばれている。
そして、シルヴィ(ソフィア・ディ・マルティーノ)は非常に有能で危険な女性の容姿をした“ロキの変異体”。変異体とは、神聖時間軸とは異なる別時間軸を生きる者たちのことで、マルチバースにおける“別の自分”ということになる。シルヴィは、自分の人生を奪ったTVAを憎み、その壊滅を企んでいる。歴史上のさまざまな大災害に身を隠しながら神聖時間軸の各時代で報復活動を行ってきている。シーズン1にはロキの変異体として、シルヴィの他に子どものロキやワニのロキなども登場していた。
シーズン2は初回から大混乱
ということで、シーズン2の第1話「ウロボロス」を見始めると、いきなり大混乱。時間軸が無数に分岐していて、世界の時間が制御不能になっているため、ロキは過去と現在を往来する“タイムスリップ”に巻き込まれていた。ロキのことをよく知っているはずのTVA事務員のケイシー(ユージン・コルデロ)が初対面かのように慌てて「侵入者がいる!」と通報。すると、ロキの体が歪み、“現在”に戻った。そこでのケイシーはもちろんロキのことを知っている。床についた傷を見て、ロキは自分が“過去”に行っていたことに気付いた。
時の終わりと“過去”に行ってきたロキは、現在のTVAの本当の姿を見たような気がした。そのため、現在に戻ったロキはメビウス以外の人間を信用せず、メビウスにだけ自身の考えを伝えた。ロキの話を完全に信じたわけではなかったが、メビウスはロキを信頼しているので、設備管理部にロキを連れてきた。そこにいたのが“ウロボロス”だ。