コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は嶋水えけさんが描く『タバコを吸うメイドさんの噂』をピックアップ。
メイドさんのギャップ満載な姿やメイドさん同士の尊い関係が注目を集めた本作。作者の嶋水えけさんが2023年9月14日に自身のX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、4.1万を超える「いいね」が寄せられ反響を呼んだ。この記事では嶋水えけさんにインタビューを行い、創作の背景やこだわりについて語ってもらった。
憧れのメイドさん 噂とのギャップにドキドキがとまらない
メイド店で働くスウちゃんにとって店長のヒジリさんは憧れの存在。しかし、ヒジリさんには「昔は半端なくヤンキーだった」「プライベートでは女遊びが激しい」など色々な噂が絶えないようだった。
ある日、スウちゃんがヒジリさんと同じ空間でタバコを吸いお店に戻ろうとしていると、「待ってスウちゃん」と呼び止められる。「このままスウちゃんを戻してあげるわけにはいかない」とドアに追いつめられてしまった。
ヒジリさんの噂が頭をよぎるスウちゃんはこの状況にドキドキ。しかしヒジリさんはスウちゃんに消臭スプレーをかけただけだったのだ。恥ずかしい妄想をしてしまったとスウちゃんが頭を抱えていると、ヒジリさんはさらに"あること"をし…。
憧れのメイドさんとのドキドキするタバコ時間を描いた本作。X(旧Twitter)上では「素敵なお二人」「メイド×タバコ 最高です」「これはきゅんです」「心臓ぎゅんっ!ってなった」「あーもう本当にこれやばい尊い」「これ沼るやつ…」などのコメントが寄せられ、大きな反響を呼んでいる。
「人が人に抱いてしまう大きな感情、それに強く影響されてしまう人を描きたい」作者・嶋水えけさんが語る創作の背景とこだわり
――『タバコを吸うメイドさんの噂』を創作したきっかけや理由についてお聞かせください。
前作『初めてタバコを吸うメイドさんの漫画』の続きを描こうとなったのがきっかけです。
元々彼女たちの勤めるメイド喫茶のことなど、土台となる構想はあったのですが、X(旧Twitter)では「タバコを吸うメイドさんの話」として始めたものなので、今回はまだ喫煙所での彼女たちを見てもらえたらいいなと思い「ヒジリの噂を聞いた後、喫煙所で2人きりになってどぎまぎするスウ」という構図が生まれました。
――本作では、何事にも素直なスウちゃんと周りが話す噂とのギャップが激しいヒジリさんのかわいらしい関係性が印象的です。それぞれのキャラクターや関係性はどのように生まれたのでしょうか。
元々、メイド喫茶のメイドさんが描きたいなあとぼんやり構想を練っていた時からずっと「クールでミステリアスな、タバコを吸うメイドさんは絶対に描きたい!」と思っていました。そこからヒジリの初期構想が生まれました。
タバコ×メイドさんを主軸にした漫画に1度してみようと考え、ヒジリと並べながら対極の存在としてデザインしていき、スウというキャラクターが生まれました。
うぶな女の子が、ずっと憧れていた先輩と一緒にタバコを吸える、というシチュエーションがぐっとくるなあと思って描いたので、全体的にそういうコンセプトが今の2人の原点です。
――本作の中で嶋水えけさんにとって特に思い入れのあるシーンやセリフがあれば理由とともにお聞かせください。
ヒジリがスウに香水のおすそ分けをする見開きのシーンです。良い絵が描けたなと気に入っています。
――嶋水えけさんは本作以外にも『ポラリスは消えない』や『私のワルツ』(ともにSQUARE ENIX)など女の子を題材にした作品を多く描かれていますが、描くようになったきっかけや創作全般におけるこだわりについてお聞かせください。
昔から「女の子の絵」を描くことがとても楽しくて好きです。あとは恋や恋愛、性愛という言葉で単純に括りきるのも難しいけれど、人が人に抱いてしまう大きな感情、それに強く影響されてしまう人にとても興味があり、描きたい気持ちが強いです。
――今後の展望や目標、挑戦してみたいことがあればお聞かせください。
キャラクターたちの作中での解像度をどんどん上げていって、まるでキャラクターたちが読者さんと同じ次元に存在するかのような、身近な存在に感じてもらえるよう、色々な研究を日々重ねていきたいと思っています。
――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方々へ、メッセージをお願いします。
漫画はいつも自分が楽しいように作っていますが、読んでくださったり、反応をくださったりする皆様がいるおかげでより楽しい漫画作りが出来ているなと、最近実感することが多いです。
いつも本当にありがとうございます!これからも気が向いた時に漫画を読んでもらえると嬉しいです。