コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、バイトの先輩と後輩とのエピソードを書いた「合コンで鉢合わせした先輩を家まで送り届ける話。」。最新話が投稿されるたび反響を寄せる「バイト先の先輩が高校生じゃなかった話」シリーズの1つだ。
作者の文之助さんが9月16日に本作をTwitterに投稿したところ反響を呼び、9600を超える「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、文之助さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
童顔年上男子の先輩がいつもと違う雰囲気の後輩女子にさらっと言った一言に悶絶
見た目はサバサバクール系、でもお姉ちゃん気質で他人に頼るのが苦手な遠野然里(とおの・しかり)。自分より1年早くバイトを始めた先輩である若蒼夜(わか・そうや)を、童顔な容姿から高校生だと想定していた。甘いマスクとフレッシュさでお客さんに大人気の若。然里は「高校生とどうにかなるなんて絶対ない」と思っていた。若の誘いでバイト終わりに飲みにいったとき、若が4歳上だと判明する。他人に頼らずひたむきに頑張る然里に気づき、「お疲れ様」と労わってくれた若が気になり始める。
ある日、然里が合コンに行くと、そこには男友達との飲み会だと騙されて来た若がいた。乗り気ではなかった合コンだったが、片想いの相手である若がいたことで、あっという間な時間を過ごす。友人・美緒の計らいで、酔っぱらって目が開かなくなった若を家まで送ることになった。若と2人きりの帰り道、然里は水を渡す。水を飲み、落ち着いた若は然里を改めて見て、いつもと雰囲気が違うと指摘。慣れない服装にそわそわする、と笑う然里に若はさらっと「可愛いですよ」と伝える。「帰りましょう、若さんまだ酔っているみたいですし」とごまかす然里だが、若の顔が見られないくらいに照れてしまっていた。
童顔年上男子の大人な一面と一見クールな後輩女子のギャップが織りなす恋模様にドキドキさせられる本作。「若さん罪な男」「さらっと言えんの強いな最高」「若さんどこかに落ちてないですか??」など、然里同様、若に心を掴まれる読者が続出した。キュンキュンするポイントが多く、これからの展開が気になる物語となっている。
「第一印象とのギャップが強い」2人の恋模様に読者が虜に 作者・文之助さんが想いを語る
――「バイト先の先輩が高校生じゃなかった話」を創作したきっかけをお教えください。
ずっと参加してみたいと思っていたコミティアというイベントに出展することを決めたことがきっかけです。参加にあたり、本を一冊描こうと意気込んでいた時にちょうど頭にあった話が「バイト先の先輩が高校生じゃなかった話」でした。当時はイベント参加ごとに少しずつ続きを描いていこうと思っていたのですが、ありがたいことに電子書籍配信のお話をいただき、今では大体2週間に1回のペースで更新をしています。
――今回、反響の大きかった「合コンで鉢合わせした先輩を家まで送り届ける話。」を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
特にこだわったのは背景効果です。空気感が伝わるよう、水色ベタ塗りだけではなく、白く削りを入れたり、その他キラキラした演出を意識して入れました。また全体を通してキャラクターの顔、表情は特に力を入れて描いているのでぜひ見ていただきたいです。
――文之助さんの作品では、登場人物の恋模様にいつもキュンキュンしてしまいます。ネタや登場人物はどのようなところから思いつくのでしょうか。
登場人物、特にちゃんと話に絡んでくる人については、過去私が見てきた作品の中で印象に残っているキャラクターのエッセンスを入れて作り出している気がします。ネタについては、キャラクターの仲が進展しそうだなという場面(場所・時間など)を設定し、そこで起こりうるハプニングや会話、エピソードなどをたくさん出し、その中から取捨選択して物語に反映させています。今は一緒にアイデア出しをしてくれる方がいらっしゃるので、雑談のような形でアイデア出しをすることが多いです。
――本作に登場するキャラクターへのこだわりなどございましたらお教えください。
童顔でありながら中身はちゃんと大人な若くんと、サバサバクールな見た目でありながら中身は人に頼るのが苦手なお姉ちゃん気質の遠野さん。強く意識していたわけではないのですが、「第一印象とのギャップ」が強いキャラクターだなと思っていますので、今後も二人のそんなところに注目していただけると嬉しいです。
――「バイト先の先輩が高校生じゃなかった話」の中で特に気に入っている話があれば、理由と共にお教えください。
特に気に入っている、というか思い入れが深いのはやはり一番最初の、高校生だと思っていたバイト先の先輩が実は4つ年上の成人済み男性だったとバレるエピソードですね。このエピソードを描きたいがためにこのお話を描き始めたと言っても過言ではないので。また、ここから二人の関係性が変わっていくのでは…!?、というワクワク感、期待感のあるエピソードだと思っています。
――今後の展望や目標をお教えください。
「バイト先の先輩が高校生じゃなかった話」に限らずですが、メディアミックスに興味があるので、
漫画という形式に限らず、さまざまな形で作品をお届けすることができたらいいなと思っています。また、さまざまな方面で活躍されている方と一緒にお仕事ができたら幸せだな、と思っていますのでイラストや漫画という自分の強みを活かして、どんどん新しいことに挑戦していきたいです。
――最後に作品を楽しみにしている読者やフォロワーの皆さんへメッセージをお願いします。
いつも作品を読んでいただきありがとうございます。皆さんから寄せられる温かいご感想が本当に日々の原動力になっています。描いている時は「これ、楽しんでくれる人いるのかな」などネガティブな気持ちになることもあるのですが、SNSに投稿して皆さんに反応していただくと「あ、楽しんでくれる人いたわ」とほっとします(笑)長くキャラクターを描き続けることの難しさを日々感じながら執筆していますが、少しでも楽しんでいただけるよう頑張りますのでこれからもぜひ応援のほどよろしくお願いします!