天使「飛べるようになるまでつき合ってもらっていいですか?」
幸紀が天使とはこんなにふてぶてしいものかと思っていると、「そういえば言い忘れてました。生きてて良かったですね」と殊勝な態度を見せる。幸紀が「別にあのとき死んだって良かったよ」と言うとさらに「めったなこと言うもんじゃないですよ」と天使。
「俺みたいな人間が生きてて価値がありそうに見えるか」と幸紀がやさぐれると「価値を見出すのはあなたじゃないですか」と天使が言い、幸紀はハッとして天使のほうを見る。
すると天使は「そんなことより確かなことは側にいる人が心身ともに健やかであれば、天使の羽も回復するということです」と言ってすっくと立ち上がって腕を組み「ゆえに飛べるようになるまでつき合ってもらっていいですか?」と尋ねる。立った天使を見るとTシャツだけ着ていて足はむき出し状態で、幸紀は「下履けよ」と言うのだった。
強面だが実は優しい心根を持つ幸紀に比べて、天使はかわいい顔してふてぶてしいのが面白い。そんなかわいげのなさが際立てば際立つほど、天使が本当に美しいのも印象的で、SNSでも「天使が天使すぎた」「天使の羽根のクオリティーがよかった!」「天使の拓哉の透明感やばいしほんとかわいすぎて」「いやはや、天使めちゃくちゃ生意気で可愛い!!」と話題になった。
◆構成・文=牧島史佳
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