AKB48がコンサート「MXまつり AKB48 62ndシングル『アイドルなんかじゃなかったら』発売記念コンサート ~劇場公演曲リクエストアワーセットリストベスト30~」を10月21日に東京・日本武道館で開催した。
初の“劇場楽曲限定”リクエストアワー1位は「夜風の仕業」
10月20日から22日(日)までの3日間、日本武道館でコンサートを開催しているAKB48。二日目の公演は、劇場公演曲(305曲)の中からファンの投票で決定した上位30曲をランキング形式で披露するリクエストアワー。劇場公演曲限定でのリクエストアワーはAKB48史上初となる。
メンバーもファンもそれぞれの楽曲に思い入れがあったり、思い出があったりするが、その頂点に輝いたのは「夜風の仕業」だった。チームBの5th Stage「シアターの女神」の楽曲で、前日の公演で卒業発表をした柏木由紀のソロ曲でもある。
青いペンライトで武道館全体が青く染まる中、メンバーたちに見守られながら歌い上げた柏木。歌い終わった後、「AKB48に入って初めて頂いたソロ曲で、2010年の曲なので13年間大切に歌ってきた曲です」と楽曲への思いを伝え、「昨日(10月20日)卒業発表したので私にとって最後のリクエストアワーになりますが、17年間のAKB48人生で総選挙とか他にもいっぱい順位が付く場面があったんですけど、17年の間で初めてファンの皆さんのおかげで1位という順位をいただけました。皆さん、ありがとうございます!」と初の“1位”獲得に喜びを爆発させ、ファンに感謝した。
「あと、もう卒業みたいな感じに思うよね(笑)」と卒コンを先取りしたようなセレモニー感のある純白のドレスの衣装についても自らツッコミ。向井地美音も「(白い衣装で)より一層、3月のことを想像しちゃって泣けました」と、3月に予定されている卒業コンサートを重ねて見てしまったと明かした。
これまで大切に歌ってきた「夜風の仕業」。柏木は「私も大事に歌っていきたいですし、もしよかったら卒業後はみんなに引き継いでほしいなって思います」と後輩メンバーに歌い継いでもらいたいという思いも伝えた。
約7年ぶりの完全オリジナル新公演が決定
上位30曲の発表と披露が終わった後、向井地が「普段、テレビとかで歌うわけではないし、メジャーな場所で歌うわけではない、劇場で私たちが毎日歌いつないでいる曲を愛してくれて、『この子がこの曲を歌ってるのが良いね』って思ってくださって、理解してくれて投票してくださった皆さんがいるからこそ、今日の30曲も素晴らしい順位になったなって思います。投票してくださった皆さん、ありがとうございました。そして、これからもAKB48の劇場公演をよろしくお願いします!」と改めて感謝の気持ちを伝えた。
その直後、大型ビジョンに「AKB48劇場16人公演初日決定」の文字が映し出され、「2023年12月8日」「公演内容は完全オリジナル新公演!乞うご期待!」と続いた。この公演は秋元康プロデュースによるもので、「M.T.に捧ぐ」公演以来、約7年ぶりの新公演となる。
小栗有以は「えぇ! うれしいです。私、(オリジナル公演は)初めてです!」と一気にハイテンションに。「初めてのオリジナル公演って人、手を上げて」というと、ほとんどのメンバーが手を上げた。それを見て、小栗は「新体制になってチーム制はなくなってしまったんですけど、15周年をきっかけに秋元康さん描き下ろしの楽曲を頂けるということで、これから20周年、その先21周年、22周年とどんどんつないでいけるように、これからまたみんなで気持ちを一つにして頑張っていきたいと思います。楽しみにしててください!」とファンに呼びかけた。
アンコールではニューシングルのカップリング曲をライブで初披露
アンコールでは62ndシングル「アイドルなんかじゃなかったら」のカップリング曲「In any way」「君は僕を覚えてるかな?」「知ったかぶりのその下に」を初披露。「知ったかぶりのその下に」はU-22選抜楽曲で、4月にお披露目された18期研究生・新井彩永がセンターを務めている。新井は「私は本日スケジュールの都合で不参加の予定だったんですけど、どうしてもこのステージに立ちたいということで急きょ駆けつけさせていただきました! 初センターの楽曲を日本武道館というすてきなステージで披露させていただけて、とてもうれしいです。ありがとうございます!」とセンター曲の初披露に間に合って、笑顔を見せた。
ラストは小栗センターの表題曲「アイドルなんかじゃなかったら」で二日目の武道館公演を締めくくった。
◆取材・文=田中隆信