日本でも大ヒットとなった2020年の韓国ドラマ「梨泰院クラス」で稀代の悪役、チャン・グンウォンを演じ、一気に名を知らせたアン・ボヒョン。以来、「ユミの細胞たち」「マイネーム:偽りと復讐」「軍検事ドーベルマン」「生まれ変わってもよろしく」など、休むことなく作品ごとに違う姿を見せ続けて、ファンは増える一方。ファンイベントの為に来日した彼に、演技やプライベートの事などインタビュー。
次回作は、財閥3世の刑事役でテンションの高いキャラ
来日直前まで新しいドラマ「財閥×刑事(仮)」の撮影をし、ほとんど寝ない状態で成田から取材現場にやって来たアン・ボヒョン。「あんまり寝てない、って聞きましたけど、お疲れだと思いますが大丈夫ですか?」と尋ねると、「あ、(寝てない事が)伝わってましたか(苦笑)?大丈夫です。やりましょう」と、穏やかな笑顔で答え、インタビューが始まった。
――作品のたびに全く違う姿を見せてくださってますが、作品を選ぶ基準は何ですか?
アン・ボヒョン メロドラマをやったら次はシリアスな物、というように、常に違う姿を見せられる作品を選んでいます。僕は脚本をしっかり読み込むタイプで、オファーの時点では最終話まで出来てない事が多いんですが、例えば、戴いた1話から3話までを読んで、「この役は上手く演れそうだ」と自信が持てたり、挑戦してみたい、と思えるかどうか、で判断しています。今撮影している「財閥×刑事(仮)」も、そういった基準で選びました。
――どんな内容なんですか?
アン・ボヒョン 僕の役は、財閥3世で刑事になった人物で、テンションが高くてエネルギーが溢れてるコミカルな作品です。(日本語で)エネルギーがいっぱいです(笑)。
役柄に素の自分が左右される事は、ほとんど無い
――役柄にどれだけシンクロできるかを考えながら演じているそうですが、そのキャラクターに普段のご自分が左右されたりする事は?
アン・ボヒョン それは、ほとんど無いですね。役柄から抜け出すのは、思ったよりも早いです。これが終わったら、スグ次…という感じで、ずっと休みなく作品を撮ってきたので、多少、前の役柄の感情を引きずった事もありますが、切り替えは早いです。
――次々と休みなく作品に出ている中で、次回作の撮影までのわずかなお休み期間にリセットする方法は?
アン・ボヒョン 以前は、韓国内で旅行に行ったり、バイクに乗ったり、キャンプや釣りをしたり…だったんですが、最近はそれもなかなかできなくて…。ひたすら撮影が続いている状況なんです。強いて言えば、家で料理をする事ぐらいですね。本当は、キャンプに行って料理を作りたいんですけどね。
――一番得意な料理は何ですか?
アン・ボヒョン キムチチゲとかキムチチムとか、キムチを使った料理が得意です。
自分と違うキャラクターを演じるのが楽しい
――実際のご自分に近い役と全然違う役、どっちが演りやすいですか?
アン・ボヒョン 演りやすさで言えば、自分に近い方ですけど、演じる楽しさでは、自分と違うキャラクターの方です。その役柄の心情についてどうしても理解できない部分がある時は、かなり悩みますが、その人物がこれまで生きてきた過去の事を考えたりして、どうにか乗り越えています。
――演じていて一番楽しかった、やりがいを感じた役は?
アン・ボヒョン 全部楽しかったですけど、中でも「ドーベルマン検事」ですね。明るいキャラクターだったので、楽しく演じられました。
――ファンの方々は「生まれ変わってもよろしく」でのロマンティックな姿に胸キュンした方が多かったようです。演じる上で、気をつけた点はありますか?
アン・ボヒョン そうなんですか?ありがとうございます。「生まれ変わっても~」は、今までの中でも、とてもメロの要素が強かったし、僕が演じたソハは純粋で明るい人物だったので、役作りに悩んだ部分はあったんですが、原作のウェブトゥーンを参考にして演じました。
――ウェブトゥーンだと、既に絵がある為にイメージが付いてるじゃないですか。その点での難しさは無いですか?
アン・ボヒョン 絵が実写化になるので、それは別物だと考えてます。キャスティングされた瞬間から、絵の人物をアン・ボヒョン化させるという点ではすごく葛藤がありましたが、たくさん考えて準備をしました。
OSTにも挑戦し、歌声を披露
――この作品では、OST(ドラマ挿入歌)も歌ってますよね。本当に歌が上手くて驚きました。
アン・ボヒョン いや、そんな…(恥ずかしそう)。
――本当に上手かったです!歌う事になった経緯は?
アン・ボヒョン もちろん、自分から歌いたいと言ったわけではなくて、監督から提案されたんです。歌手ではないし、慎重に考えたんですけど、ドラマの中で流れる歌で、役柄として感情も込めて歌えるな、と思ってお請けしました。
――これまで、秘書、軍人、御曹司、警察官、ゲーム開発者、ホテルの専務、軍検事など様々な職業を演じてこられましたが、他に演ってみたい職業はありますか?
アン・ボヒョン まだ演ってないモノの方が多いので、スグには思いつかないのですが、
役柄で言えば、(「梨泰院クラス」のグンウォン以上の)本格的な悪役にも挑戦したいし、時代劇にも出てみたいです。教師や医者ですか?考えてみます(笑)。
GENIE MUSIC
発売日: 2023/08/16