コミックの映像化やドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、「ふかづめ」「針無シ」など複数の名義で活動している深津さんの漫画「ヤベーと噂のアイツと地味なお嬢様の話」を紹介する。作者である深津さんが9月17日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、1.5万件を超える「いいね」を寄せられ、まさかの展開が話題を呼んだ。本記事では深津さんに、作品のこだわりなどについてインタビューをおこなった。
不良たちからお嬢様を救ったのは、“ウワサ”の男
すっかり暗くなってしまった夜道を歩くうち、3人の不良に絡まれてしまった女子高生。どうやら顔見知り同士らしいが、「こんな時間に何してんの？」と聞かれて塾で遅くなってしまったことを伝えると「へーやっぱ優等生のお嬢様は違うなア」と粗野な返事が返ってくる。さらに不良たちは強い言葉で彼女を強引に遊びにつれて行こうとする。周囲には大人たちもいるが、粗野な振舞いをする不良たちを前に見て見ぬふりを続けていた。
そんななか、不良たちのリーダー格の背中が後ろから蹴倒される。振り返ればそこには学ランの下にパーカー、青筋を浮かべたコワモテの男が。さらにサングラスやタバコを片手に持っている、どこからどう見てもコテコテの“ヤベーやつ”だ。男は「お前らジャマなンだよ、道のド真ン中でよォ」と声をかけ、お嬢様に絡んでいた不良たちを睨み付ける。
不良たちのひとりが「最近転入してきたヤベーって噂の3年…？」とこぼすと、男は息を吸って「目障りなンだよ、さっさと失せろ」と大喝。その迫力に不良たちは一目散に逃げ出してしまう。
そうしてあっという間に場を納められたなか、残された2人。その矛先がお嬢様にも向けられるかと思いきや、フードの男はお嬢様に口を開き、思いがけない言葉をかける…。
作者から見ても「かわいそう」な護衛役の苦労
――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
酷いかもしれないのですが、彼の心労を色々と想像して「うわぁ…かわいそうだな…」と思って頂けたらいいなあと思っています。
多分お金とか立場とか諸々に挟まれてすり潰されそうになっているんだろうなあと思います。かわいそう。
――「最近転入してきた」ということは、以前は別の方法で護衛していたのでしょうか。
彼女自身が実は高校1年生なので、高校生になってから始まった護衛の形でした。
中学の頃までは普通に高級車にスーツでお迎えにあがっていたり護衛に張り付いていたりしたので、そのせいで学校で彼女が孤立しがちなのを見かねてこうなった、という経緯があります、
――護衛役は見た目通り荒事に慣れているのか、それとも脅し目的で見た目を盛っているのか、どちらでしょうか。
ひとまず非喫煙者ではあるようです。9割は意図的に盛っていますが、1割は普段の護衛業だと出せない自身の感情が出ているような気がします。
――「旦那様」のムチャ振りは、よくあることなのでしょうか。
お嬢様を溺愛するパワーをお金と社会的地位という馬鹿でかい棍棒にして使用人ごと吹っ飛ばす勢いでブン回す旦那様です。
多分この護衛もこれまで散々無茶ぶりされてきたのでもう呆れとか羞恥とかの感情がバグってあんな感じなのだと思います。かわいそう。
――「高校生は無理がある」と言われていましたが、護衛役の年齢はいくつくらいを想定していましたか。
彼は30代後半～くらいをイメージしていました。
割と学園モノとかだと定番で出てくる「明らかに年齢おかしくない…？」ってなる学生キャラをイメージしたビジュアルにしています。
――頭のなかのアイデアを描き出すとき、気をつけていることがあれば教えてください。
昔から割と突拍子もないアイデアから直接物語を作ろうとしてしまうことが多く、自己完結で読んでいる方を置き去りにしがちだったことが良くあったので、最近は降って来たアイデアをできるだけわかりやすく分解して組み立てる事を意識しています。
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
