鈴木伸之 事務所先輩からのアドバイスは「つべこべ言わず腹筋一万回」
――「東京喰種」に出演したことで、何か学んだことはありましたか?
お芝居もそうですし、アクションひとつとっても勉強になりました。あとはやっぱり作品のメッセージ性には僕自身、いろんなことを考えさせられました。自分が正しいと思っていることが本当に正しいのかどうか。自分が正義だと信じていれば他人がどう思おうが関係ないという生き方もあるし、逆にみんなが正しいと感じる生き方こそが正義だとも言える。それって、あらゆる人や物事に共通することだなとあらためて感じました。
――そういう意味では、正義を信じて突き進む中、金木との戦いで何かを感じる亜門も作品のテーマを体現していましたね。
答えが見えていたからこそ、逆に葛藤したり迷いが生まれる。そんなところは作品のメッセージ性にもすごくリンクしていますね。カネキも普通の少年だったのに、ある日いきなり半喰種になってしまう。登場人物それぞれを追い掛けても、また違った面白さが味わえると思います。個人的にスゴイと思ったのは、桜田ひよりちゃん演じる喰種の少女ヒナミがすごくいいセリフを言ってるシーン。素直な子供だから心の声がそのまま表に出てきたんだろうし、きっと誰もが共感できるんでしょう。彼女のお母さんリョーコを演じた相田翔子さんはじめ、女性キャストがすごく活躍するし、共感できる部分もたくさんあると思います。
――鈴木さん本人が、普段、絶対に信じているものは何かありますか?
自分の舌ですかね(笑)。お菓子とアイスが大好きなので、とにかく食べまくっています。おかげで新商品のポテトチップスが出た時は、パッケージを見ただけでなんとなく味が見極められる力がつきました。お菓子とアイスに関する味覚は、他の人より秀でていると思います(笑)。
――「東京喰種」に限らず、最近は「実写化不可能」といわれてきた漫画が次々に実写化されています。無理そうだけど、こんな作品に出たいと思う漫画はありますか?
僕自身はほとんど漫画は読まなかったんですけど、この間、「アメトーーク!」(テレビ朝日系)で漫画芸人の回を見てから、よし漫画読もうと決意して、ジャンルを問わずいろいろ読みはじめています。そんな僕が、昔からはまっていた唯一の漫画が「元祖浦安鉄筋家族」なんです。究極のすべりギャグをずっとやってるだけなんで絶対無理だと思いますが、もし実写にするなら大鉄やりたいですね。ブクブクに太ったフグオとか、小鉄もいいですね(笑)。ちなみに「浦安鉄筋家族」の話なら、何時間でもしゃべれます。
――今後どのような役柄に挑戦していきたいとかありますか。
「海猿」のような男くさい作品をやってみたいと思っています。あとは戦争ものなど、人の命に携わるようなテーマを持った役を演じてみたいです。これまで作品を通していろんなことを教えてもらいました。一つまた一つと違う役を演じることで、自分自身も成長していきたいと思っています。
映画「東京喰種トーキョーグール」
7月29日(土)公開
原作/石田スイ 監督/萩原健太郎 出演/窪田正孝 清水富美加 鈴木伸之桜田ひより 蒼井優 大泉洋ほか
人間に紛れて暮らし、人肉を捕食する“喰種”が蔓延する社会。平凡な大学生の金木(窪田)は、喰種・リゼ(蒼井)に襲われたことをきっかけに、“半喰種”になってしまう。やがて彼は、喰種対策局から身を潜めて生きる喰種の真の姿を知る。
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