ネットでたたかれても「その人と顔を合わせることはない」
――強い意志を持って書かれたと思いますが、やはりつらい時もあったと思います。どうやって克服するに至ったのでしょうか?
どんなにネットで騒がれて、たたかれてしまったとしても、その人と顔を合わせることもないし、その人と人生を共にするわけでもないんですよね。そう考えると、身の回りにいる家族や友人、スタッフさんたちを大事にした方が、自分の人生が豊かになるんじゃないかと“悟り”を開きました。
そういう発言をしているのは、意外と同じ人だったり、限られた片手で数えられるような人たちなんですよ。世界には80億人くらいいるのに、そんな人のために命を落としちゃダメだな、もっと強くならなきゃなと思いました。
「どうして生まれてきたんだろう」と考え、自殺願望のあった時期も
――命の話が出ましたが、さまざまな収録曲に「生きる」「死ぬ」という詞が繰り返し登場しています。それは生と死について考えた時期があったからですか?
死生観については小学生のころから考えていました。「どうして生まれてきたんだろう」と考えて、自殺願望のあった時期もありました。スキャンダルによってネットでたたかれてしまって「諦めてしまおうか」と考えたこともありました。そういうことを経て、この作品を作り、強くなれた自分がいます。
――そういった時期からどう抜け出したのでしょうか?
しんどくてストレスが溜まって爆発しそうな時は、お酒を飲みながら歌詞を書くんです。今回のアルバムにも、お酒を飲みながら歌詞を書いたものもあります。「Mayday」という曲です。「助けてほしい」という信号の言葉なんですけど、お酒を飲みながら書いています。
作詞で自分の思いを文字にすることがストレス発散につながっていたんですよね。作詞は自分に向いていました。全てノンフィクションなんですよ。失恋ソングからうっぷんを晴らすような曲まで、全部が自分の思いです。
――では、アルバム発売を楽しみにされているファンへメッセージをお願いします。
収録される13曲は今の等身大の岡田奈々が書いたメッセージです。困惑させてしまったり、傷付いてしまったりする方もいるかもしませんが、これが本当のリアルな岡田奈々です。聴いていただいた上で何かを感じてもらえたり、精神的な支えになれたらうれしいです。ぜひお気に入りソングを見つけて、会いに来て教えてほしいなと思います。
◆取材・文=山田健史/ヘアメーク=清水恵美子(maroonbrand)、スタイリスト=高橋美咲(Sadalsuud)