コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、漫画家のコマkomaによる『スーパーひまわり「その涙ぼくにゆだねてくれないか」編』だ。
同作は、作者のコマkomaさんがX(旧Twitter)やpixivで連載している『スーパーひまわり』シリーズの一環として描かれた作品。同シリーズは家族経営の「スーパーひまわり」に勤める女の子と、その近くの工事現場で働くお兄さんとの様子が描かれており、「その涙ぼくにゆだねてくれないか」編は“お兄さんが鳥類のヨウムを引き取る”という話がメインに。
2023年9月17日、同作がXに投稿されると、7.4万件の「いいね」を獲得。作者のコマkomaさんにインタビューをおこない、創作への想いやこだわりを語ってもらった。
青年の引っ越し先にいたのは大きなヨウム…2人の共同生活はどうなる?
ある日、工事現場で働く青年の田嶋航平は、会社の食堂が閉まることが伝えられる。
朝晩と寮でご飯を食べていた大食いの田嶋は、“食堂がなくなるのなら寮にいる意味はない”と新しい引っ越し先を探すことにした。そんな田嶋のもとに、職場の先輩から「2万で入れる新築アパートがあるんだけどさ」という耳寄りな情報を聞く。
しかし、そのアパートへの入居条件は生後半年のヨウムと一緒に暮らすこと。元々の飼い主である大家の父が亡くなってしまい、その大きな体と気難しい性格から世話をできる人がおらず、大家も手を焼いていたようだ。
まさかの条件に驚く田嶋だったが、格安で住めるという点に惹かれて結局そのアパートに住むことを決める。ヨウムとの2人暮らしをスタートさせ、わからないなりに試行錯誤で観察していく田嶋。次第に田嶋は“部屋の環境がヨウムにストレスを与える原因になっている”と気づく。
というのもヨウムは様々なストレスから自分の羽を抜く癖があり、ほぼ地肌が見えている状態。なんとかしたいと考えた田嶋はヨウムのために奮起し、そんな姿を見たヨウムは…。
人間から遠ざけられていたヨウムと田嶋が心を通わせていく様子に対し、「しっかり向かえば、動物でもしっかり通じるところに感動した」「ヨウムがいい同居人と出会えてよかった」「涙が止まらない」などのコメントが寄せられていた。
「あの子を漫画の中で幸せにしてあげたいと思ったのがきっかけ」作者・コマkomaさんが語る想いとは?
――『スーパーひまわり「その涙ぼくにゆだねてくれないか」編』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
このお話は半分実話でして、飼い主が見つからず、たらいまわしにされていたヨウムが友人宅にいたのを思い出したのがきっかけです。20年以上前のことで、今ほどアニマルリテラシーも叫ばれていない時代でした。あの子を漫画の中で幸せにしてあげたい、と思ったのが理由ときっかけです。
――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
特に鳥が好きなわけでもない田嶋が、それでもユンボという不思議な相棒を受け入れるところですね。彼は作中でも飄々(ひょうひょう)としていて、最初は掴みどころがなかった人物なのですが、それが良い方向に転がったエピソードだと感じています。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
それまで一方通行かと思っていた田嶋の行動が、ようやくユンボに届いたことがわかって「お前ずっと遊びたかったよな」と呟くシーンです。モデルになったヨウムちゃんもきっとたくさん遊びたかっただろうな、と。
鳥というのは犬や猫とはまた違った感情表現をするので、慣れていないとわかりにくいところもあるのですが、とても愛情深く、知的で、まっすぐな生き物なので、漫画の中だけでも心を開いたシーンを描けたのは感慨深いものがありますね。
実際は心身にストレスを抱えた子達は、毛引き癖がつくととても治りにくい(?)らしく、その姿もとても痛々しいものがあります。
今そのことに悩んでいらっしゃる飼い主さんたちへのエールも込めて、最後のユンボはふかふかの羽毛を描きました。
――同作は「その涙ぼくにゆだねてくれないか」編とのことですが、他にも続編などがあるのでしょうか?
一旦、本編という形では終了していますが、登場人物たちのその前やその後を「描き足す」という形で描き続けています。どういう形になるのかはわかりませんが、「ココが読みたい!」と読者の方に思ってもらえたものを、少しづつお見せできたらなあと思っています。
――同作を読む限り、ユンボちゃんの「羽をむしる」という自傷行為は落ち着いたように見えますが、現状は回復しているのでしょうか?
作中では完治!!!しています。
――今後の展望や目標をお教えください。
スーパーひまわりは商業化のお話を頂いていますので、そこを目指して努力していくつもりです。その前に、4コマ形式での今の形を残しておきたいと思い、来年春を目標に一気読みできる同人誌化を進めています。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
いつも読んでくださってありがとうございます!
みなさんの応援で成り立っている『スーパーひまわり』シリーズです。同じくXへの投稿から同人誌化し、商業化へと進んだ『軍人婿さんと大根嫁さん』の連載も頑張りますので、これからもどうぞご愛顧よろしくお願いいたします!!
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