コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、御前モカさんの漫画『CREWでございます！』だ。
作者の御前モカさんは「航空安全の日」の前日にあたる8月11日に、CAお仕事コミック『CREWでございます！』(秋田書店)に収録の『安全訓練でございます！』をX(旧Twitter)に投稿したところ、2.5万件の「いいね」が寄せられた。本記事では作者の御前モカさんにインタビューをおこない、創作のきっかけや同作に込めた思いやメッセージなどについて語ってもらった。
実際にあった事故を仮想体験する訓練…想像を超える過酷さだった
ある日、CAのタマゴである主人公は特別講師を招いての安全訓練を受けることに。特別講師の指導を元に、実際に起きた事故の状況の中で「もし自分だったら」と想定する訓練をおこなう。
事故当時のCAの体験が詳しく書かれたカードを受け取る主人公たち。カードにはそれぞれ別のCAの体験が書かれており、カードの内容を見た主人公以外の訓練生は動揺を隠せない様子だった。
いよいよ事故の追体験が始まると、想像以上の悲惨さに主人公は戸惑いを隠せない。他のCAと連携して対処しようと考える主人公だったが、機長へ連絡するための機内電話は使えず、主人公以外のCAは生死すら不明という状況が明らかになる。他の訓練生がショックを受けていたのは、このためだったのだ…。
なんとか訓練を終えた主人公たちへ講師は想いと衝撃の告白をするのだが、同場面に対してネット上では「思わず泣いた」「CAの皆さんに敬意を」などのコメントが多数寄せられた。
CAを知り、CAを信頼してほしい…作者・御前モカさんが作品に込めた想い
――『安全訓練でございます！』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
「保安要員である」というCAの本分やその心を知っていただきたく、お伝えしたく描きました。CAの保安要員ではない部分のイメージばかりが一般的に強く浸透しているように感じておりました。そのようなイメージが緊急時、CAの指示に従わない、CAを信用できない…ということに繋がってしまい、最終的にお客様の命を守れなくなる恐れに波及すると危機感を抱いたからです。
――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい！」というポイントがあれば教えてください。
詳細は違っても、全ての会社のCAが、このような訓練をおこなっている…ということを知っていただきたいです。こだわりました点は、より多くの方へご覧いただきたくショッキングな描写はできるだけやわらかく、もちもちしたキャラクターをメインにした点です。また、こちらの回のみ、実在しない機材を描きました。
作中の問答で主人公が出した答えは、似た型式の機種別乗務資格を持つ全てのCAが答えることができるものを描きました。特別ではないCAの知識レベルを知っていただきたかったからです。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
「多くを学び、引き出しを沢山作ることは、必ず役に立つ」というセリフです。
航空業界では安全と命を守るため、航空機事故、重大インシデント、不安全事象などの詳細も共有しております。人が1人で経験できることは少ないですが、共有することで引き出しを多く作ることができます。人生においても、引き出しが多くあることは、役に立つと思っております。
――普通だったら知り得ない訓練の様子に緊迫感を感じましたが、同作を読んだ人から寄せられた反響で特に印象的だったものを教えてください。
「CAさん達がこんなにも壮絶な訓練をしているとは思わなかった」というお言葉です。
CAにとって、緊急時を想定した訓練は「当たり前」の「毎年受ける」訓練であり乗務資格を得るための試験です。現場とお客様との認識は、やはり大きな隔たりがあったのだと気付けました。また、訓練は入社時のみとの認識だったとのお声もあり、その溝を埋めることは保安要員としてのCAへの信頼獲得に繋がり、航空安全をより強固に守ることにも繋がるのではという思いになりました。
――今後の展望や目標をお教えください。
現在は、こちらの回で訓練を受けていた主人公が訓練教官となった『CREWでございます！教官編』を連載しております。
『スチュワーデス物語』(TBS系)放送時のように、再びCA＝保安要員が一般的な認識になるような漫画を発信し続けたいです。アニメ化ドラマ化、全く諦めておりませんので、お待ちしております(笑)
加えて、がんに罹患した経験をもとに、おひとりさまがん患者が自分の生き方を見直していく物語『おはよう、おやすみ、また明日。』も連載中です。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします！
不定期連載で長らくお待たせしてしまい申し訳ございません。まもなくクルござ再開できます見込みです。これからも、皆さまの備えになる漫画を描き続けたいと思います。そして、お役には立ちませぬよう、強く願っております。
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
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『CREWでございます！ 負けるな！ 航空業界！』を読む
・作者X(旧Twitter)：御前モカ
・『CREWでございます！』の最新話はマンガクロスで読めます：『CREWでございます！』
・『がんの告知をされたのだけれども』も収録した漫画『おはよう、おやすみ、また明日。』の最新話はスーフルで読めます：『おはよう、おやすみ、また明日。』
