小田井涼平が日本各地を旅し、その土地の人々や文化に触れる「一度は行きたい極上宿 小田井涼平のあい旅」(毎週木曜 夜8:00-9:00、BSJapanext〈263ch〉)。10月26日の放送回では、前回に引き続き、京都府京都市を巡ることに。夏目漱石や正岡子規といった文化人が宿泊した極上宿で、珍しい和風サウナ「かま風呂」を堪能した。
初めての人力車で竹林の散策路へ
京都市・嵐山に降り立った小田井は、初めての人力車を体験。カップルや親子連れが乗車することの多い人力車だが、身長188センチという立派な体格の小田井が乗ると、1人分でスペースはいっぱいになってしまう。
発車した人力車が向かうのは、都会の喧騒から遠く離れた竹林の散策路。高々と伸びた竹が賑わう観光地の雑音を遮り、静かな異空間へと誘ってくれる。人力車というのも観光地ならではの乗り物だが、竹林の小道がもたらす静けさはそれ以上の非日常感を演出していた。
竹の香りに包まれた緑あふれる道行きだが、なかには踏切の横切るポイントも。鉄道好きの小田井にとっては喜ばしいサプライズだったようで、「京都行の快速きましたね…ちょっと興奮するねコレ」と満面の笑みで拍手喝采を送る。非日常と日常が入り乱れる空間を、めいっぱい楽しんだ。
続いて小田井が立ち寄ったのは、約390メートルのアーケードが伸びる“錦市場”。その昔に魚市場として始まり、約400年の歴史を誇るスポットだという。京都といえば京野菜を使った懐石料理や、抹茶を使ったスイーツのイメージが強い人が多いのではないだろうか。しかし街歩きで堪能できるB級グルメの数々も、侮れない味わいのようだった。
なかでも小田井の目を引いたのは、大正8年創業の焼魚専門店・魚力の名物であるハモ天とハモカツ。まずシンプルに塩味で食した小田井は、思わず大声で「お母さん、うまい！」と絶賛。骨を綺麗に取っているため柔らかな味わいで、フワフワの身をしっかり味わうことができる。小田井は最後まで笑顔を絶やすことなく、ハモ天とハモカツを完食。
偉人たちも愛した、1日3組限定の極上宿
この日の極上宿「山ばな平八茶屋」は、安土桃山時代に茶屋として創業された。宿泊できるのは1日3組限定で、かつては夏目漱石や正岡子規、北大路魯山人も泊まったという。600坪にも渡る日本庭園のなかには、50メートルの井戸から汲み上げた水を使った沢まで流れている。偉人たちが愛したというのもうなずける景観だ。
案内された部屋「桐の間」には、窓の外から見える高野川のせせらぎが響く。小田井は「いるだけで作品書けそうよ、これ。絵も描けそう。ちょっと一段上に上がった気分になれます」と、偉人たちと過ごしたであろう部屋でゆったり流れる時間に身を委ねた。
同宿の自慢は、和風サウナである「かま風呂」。小田井も誤解していたが、浴槽に釜を使った風呂ではなく、どちらかといえば“かまくら”の“かま”が近い。土や岩で作った釜を利用した蒸し風呂の1種で、古くは天武天皇が利用したという歴史もあるとか。
かま風呂はいわゆる岩盤浴のような、中に入って寝ころぶスタイル。初体験の小田井は、敷かれたゴザから香るイグサの匂いも相まって非常にリラックスできたという。温度も55度程度と高くないため、じっくり長く汗をかける仕様だ。
たっぷりかいた汗を内風呂で流し、いざ夕食へ。食前酒は玉乃光酒造の「純米大吟醸 備前雄町」。顔を綻ばせた小田井は「口当たりすっきりで、キレもよくて、舌がピリッとする刺激もあって、面白いお酒ですね」と絶賛した。
本日食卓を囲むのは、400年の伝統を受け継いだ料理の数々。“ぐじ”と呼ばれるアカアマダイの刺身、秋の旬を詰め込んだ八寸、松茸の乗せられたぐじの若狭焼が続き、その度に小田井は驚きと歓喜の声をあげる。
なかでも小田井の心を打ったのは、麦飯とろろ。丹波産のつくね芋に北海道産昆布と鹿児島県産鰹節を使用したもので、平八茶屋を代表する名物だ。小田井は「とろろ自体の元々持ってる旨味を大切にしてくれてるから、すごいですね！」と顔いっぱいに笑みを浮かべた。
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