石田ゆり子「心遣いもあって本当に素晴らしい方だと思います」
――ドラマの中や撮影現場で印象に残っているシーンや出来事があれば教えてください。
本木:闘病中の平尾さんが、一時的に絶食しなければいけない中で、やたら家族で美味しいものを食べるシーンが出てくるんですよね。現実に平尾さんは僅かしか食べられないわけですよ。それでも家族のシーンはしんみりしないというか、みんなとワイワイ過ごす時間のありがたいさ、これが何よりの栄養なんだとかみしめているような、日常的な場面がすごく愛おしく感じるという意味で食卓を囲んでいるシーンは印象的でした。
石田:撮影の後半は本木さんが日に日に細くなられていく中、おいしいものをたくさん差し入れしてくださって。私たちは美味しくいただいているのに、どんどん痩せられていくのでどうしようというか、私も一緒に痩せた方がいいのかなと思っていました(笑)。
――山中伸弥さんを演じる滝藤賢一さんとの印象はいかがですか?
本木:滝藤さんは役者として以前に、人としてとても魅力的です。何事にも惜しみなく愛情を注ぐ人。そこが絶対私にはないところなんですよ。滝藤さんは自分の感じていることを素直に表現に移せる人だと思うので、だからどんな役に対しても常に愛情があるし、上情の深い山中さんとリンクすると思います。それが滝藤さんからじわじわ伝わってきて、平尾さんを演じる上で自分の支えにもなりました。
石田:いつもフワって笑っていて、何を聞いても優しくて柔らかい、うそのない返事が返ってきて。「コーヒー飲みませんか?」などの心遣いもあって本当に素晴らしい方だと思います。洋服など趣味もたくさんあって幅広くアンテナを張ってらっしゃる方だなと感じたので、もっといろいろ話したかったです。
本木雅弘「シンプルな人間たちの営みというのが映し出されている」
――視聴者にメッセージをお願い致します。
本木:このドラマは展開の忙しい配信系のドラマとは、ある意味一線を画していると思います。落ち着いて物語が進んでゆき、シンプルな人間たちの営みというのが映し出されているのですが、そこにそれぞれの世代がそれぞれなりに自分や未来を投影して、想いをめぐらせて余白を埋めていく。そんなふうに見ていただけたらと思います。
石田:(このドラマは)今時のドラマと少し違うかもしれない。悲しい話ではありますが、きらきらしているんですよね。結末は悲しいですが、その生きている時間っていうのが本当にキラキラして見えるんです。だから皆さんにもどうかできるだけ瞬きしないで見ていただけたらうれしいです。
本木雅弘ヘアメイク=原田ゆかり(MARVEE)/石田ゆり子ヘアメイク=岡野瑞恵/石田ゆり子スタイリスト=藤井享子/衣装協力=support△surface/SOURCE/himie
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