長らくテレビを見ていなかったライター・城戸さんが、TVerで見た番組を独特な視点で語る連載です。今回は『ジンギス談！』(毎週日曜昼1:00-1:30、HBC北海道放送)をチョイス。
Z世代”グミニケーション”の謎「ジンギス談！」
ウィキペディアによると、『Z世代』の大まかな定義としては1996年から2012年生まれの人間を指すという。そうすると私、1996年の早生まれなので、Z世代であるということになり、大雑把に「現代の若者」というフォルダに入れてもらえる嬉しさから、会う人間会う人間に「俺Z世代なんすよ」と吹聴して回っているわけだが、実際のところ、確かに自分にはZ世代としての自信がある。若者文化というか、今の中高生に何が流行ってるか、ということは把握しているつもりだし、YouTuberの勉強もしているし、どのYouTuberが誰と付き合っていてどういう炎上をしたか、そういったこともある程度に把握している。流行りの曲は聞くようにしているし、ミームにも敏感だ。これは、かつて自分もそうであった世代の流行を知ろうとせず、「自分には分からない」と匙を投げるのもなんだかつまらないし、あまつさえ冷笑するような態度はくだらないと考えるからで、断じてZ世代にしがみついているわけではない。
北海道放送のローカル番組『ジンギス談！』は、北海道出身であるタカアンドトシのふたりがMCを務めるトークバラエティ。今回はお休みのタカの代打で錦鯉・長谷川雅紀が参加し、ゲストではプライベートで仲が良いというケンドーコバヤシと相席スタート・山添寛が登場。”オジサン”たちが、Z世代へのインタビュー映像を通じて、その価値観とのギャップを語る。
半ば冗談(半ば本気)めいた形で俺はZ世代だと主張したが、私はもう28歳になるのであって、番組中のインタビューに登場する若者たちと比べるとまったき年上だ。しかし、”片思いLINEあるある”ランキングのほとんどには共感できたし、仕事への価値観もほとんど同じ。Z世代としてのアイデンティティが補強されていくのを感じる中、若者たちがバッグから次々とグミを取り出し、学校などで”グミニケーション”を取っていると言い始めたのには驚いた。グミから話が発展し、仲良くなれることもあるというのだが、グミについて一体何を話す？グミについて私は、本当はじゃがりこを持ち歩きたいけどそれだとバカみたいなので代わりに持ち歩くものだと思っていて、グミに一切の興味が無いから分からないだけで、グミ好き同士ならそれが普通なのだろうか。それならば、私がコミュニケーションでしょっちゅう大失敗を演じてしまうのも、グミを持ち歩いていないからなのではないだろうか？
私の興味に反して、コンビニやスーパーなど、グミにあてられた売場面積は異様に広い。手軽に食べられるだけでなく、コミュニケーショングッズとしても機能しているという事なのであれば納得だ。それならば私も、グミを持ち歩くことにしよう。食べれば美味しいですよね、グミって。
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