【漫画】“俺様”吸血鬼と孤独な人間…“血”をめぐり繰り広げられるバトルサスペンスに反響「すごい世界観!」「引き込まれた」
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は緒川千世さんの『ブラッドナイトマーケット』(KADOKAWA)をピックアップ。
“血”が売買される街「血夜街」を舞台に、人間と吸血鬼によるバトルサスペンスを描き話題の本作。9月4日に緒川さんが自身のX(旧Twitter)に第1話を投稿したところ、3.3万以上の「いいね」が寄せられ大きな反響を呼んだ。この記事では作者である緒川千世さんにインタビューを行い、創作の背景やこだわりについてを語ってもらった。
唯一無二の世界観と予測不能なストーリー展開が「面白い」と話題
人間世界の裏側にある“血夜街”は、質の良い血を飲みにくる吸血鬼と、血を高く売りに来た人間たちが集まる場所。そんな“血質”で人の価値が決まる街で人間として生きる蘇鉄(そてつ)は、血制局と呼ばれる機関で日々働きながら街に蔓延る吸血鬼たちの違法行為を取り締まっていた。
ある日、蘇鉄は吸血鬼に絡まれていた一人の少女・菖蒲(あやめ)と出会う。菖蒲は身寄りもなく施設に預けられていたが、施設でもみんなが食べられる十分な食糧がないため、自ら施設を出て「血を売りに来た」のだと明かす。しかし栄養不足の“痩せた”血は高値で売れないと蘇鉄から聞き、途方に暮れる。
そこに突如、“美食学者”を名乗る謎の吸血鬼・百舌鳥(もず)が現れる。高慢な態度に怯える菖蒲だったが、蘇鉄が追い返すと緊張が解けたのか菖蒲はお腹を空かせた様子を見せる。その姿を見た蘇鉄は仕方なく人間用の食事街へと連れて行くことに。菖蒲が選んだ肉まんを購入し半分に分けるも、蘇鉄は口にすることができないでいた。実は蘇鉄こそが自身の血に最低ランクの烙印を押された過去があり、誰にも求められず血を飲まれたことが無いのだった。
しばらくして「水をもらってくる」と言い、その場を離れる蘇鉄。しかし、その間に菖蒲は飢餓状態の危険な吸血鬼・餓鬼に襲われてしまう。そして百舌鳥とも再会を果たすが、蘇鉄の“血”をめぐって事態は思わぬ方向に展開し…。
人間と吸血鬼たちが住む世界で繰り広げられるバトルと予測不能な展開に、X(旧Twitter)上では「すごい世界観!」「引き込まれました」「吸血鬼街の設定が新鮮」「ストーリーがめちゃくちゃ面白い」「倒錯した魅力に溢れてる」「個性強めで魅力的なキャラクター」「バトルシーンの美しさよ」「ほどよく切なさもあって面白い」など多くのコメントが寄せられ、大きな反響を呼んでいる。
人間の営みのなかにある“ささやかな感情”を大事に 作者・緒川千世さんが語る創作の背景とこだわり
――『ブラッドナイトマーケット』を創作したきっかけや理由があれば教えて下さい。
吸血鬼モノが描きたい、お仕事バディものが描きたい、中華っぽい世界観を描きたい、タクティカルファッションを描きたいという思いを全部詰め込んだらこういう物語になりました。
――血制官として働く人間・蘇鉄と、美食学者と名乗る謎の吸血鬼・百舌鳥、それぞれのキャラクターはどのように生み出されたのでしょうか?
私は反目しあう関係性が好きなので二人ともちょっとやそっとのことじゃ折れないキャラにしました。口が悪いキャラはとても動かしやすいです。あと主人公にロングコートの制服を着させたかったです。
――本作では、登場人物たちの感情あふれる表情描写から立ち居振る舞い、また臨場感たっぷりに描かれるアクションシーンがとても印象的でした。緒川さんが作画の際にこだわっている点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
読みやすい画面を心がけています。また、キャラの表情はちゃんと伝わるように描きたいなと思っています。バトルシーンは不慣れですが、とても描き甲斐があります。
――本作の中で特に思い入れのあるシーンやセリフはありますか?
1話の百舌鳥が蘇鉄を貫くシーン。担当さんにもう少し気持ち良さそうにしたらどうですかと提案されましたが、私は苦しそうなのが好きなんですと言って苦しい感じにさせてもらいました。
――作品の世界観をつくりあげ、物語を展開していくうえでこだわっている点や特に意識している点はありますか?
世界観が大きかったり特殊だったりしても、人が心を動かされるのは人間の普通の営みの部分ではないかと思うので、普通のささやかな感情を大事にしていきたいです。
――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。
緒川千世です。いつも温かい応援ありがとうございます。
雑誌や世界観は変わっても、生き辛そうな人が特別な誰かと出会って人生が変わるという根っこの描きたい部分は変わっていないので、お付き合い頂けたらとても嬉しいです。