世界に争いを起こす裏側を描く
「SEEDシリーズ」世界の根底にあるのはコーディネイターとナチュラル、「2つの人類」の対立だ。コーディネイター側の黒幕であるデュランダルに対して、ナチュラル側にも黒幕が存在し、それが死の商人「ロゴス」と、「ブルーコスモス」と名乗る思想集団だ。ブルーコスモスは遺伝子調整で生まれたコーディネイターを生命倫理違反だと糾弾し、彼らの活動はテロにも及んでいる。そのブルーコスモスを支援するのが複合産業体のロゴス。地球各国の政治、経済に強い影響力を持つロゴスは戦争を陰で煽り、世界を混沌に導いてきた。
前作では公にはされなかった彼らの存在だが、『SEED DESTINY』では表舞台に引きずり出され、衆目の下に晒されていく。引きずり出したのは、デュランダルだった。先に黒幕と名指ししてしまったが、デュランダルを突き動かすのも争いの根絶にある。思想、格差、感情といったことから人の争いは生まれ、デュランダルがその解決策として出したのがデスティニープランであったのだ。「2つの人類」対立構造の表側を描いた『ガンダムSEED』に対して、『SEED DESTINY』は裏側も描く。そういった物語のバックボーンも今作を興味深く観られるポイントにもなっている。
キラ、アスランは第三勢力の下に
さて、ここまで読んで、「ラクスはどうした?」と思っている方はいるだろう。前作ではラクス・クラインが平和の旗印となり「クライン派」が結成されたが、今作ではラクスの支援を受け、中立国オーブの姫カガリ・ユラ・アスハが真の平和を築く盟主として立つ。彼女を筆頭にした第三勢力は反デュランダル、反ロゴスを掲げ、キラ、アスランはその剣となり、最終決戦へと挑んでいく。
前回の「ガンダムSEED編」と同じく、最終決戦の中身については触れないでおくが、そこではシン、キラ、アスラン、デュランダルをはじめ、物語を牽引してきた数多くのキャラクターたちの運命的な戦いが展開されていく。その果てに二度目の大戦は終結に導かれるのだが、やはり世界から争いが消えたわけではなかった。火種はくすぶり続け、物語はさらに2年後、『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』へと続いていく。
以上、ここまでが「10分で読める『SEED DESTINY』の物語」だ。本来ならシンの仲間であるレイ・ザ・バレル、ルナマリア・ホーク。シンと出会う敵パイロットのステラ・ルーシェ。アスランとカガリのことなど、触れるべきことはまだ山程あるのだが、物語を分かりやすく理解するという意味で、最低限の大筋に留めさせてもらった。『SEED DESTINY」の物語を受けて、新作映画『SEED FREEDOM』ではどんな物語が展開していくのか。公開の日が待ち遠しい。
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ガンチャン