稲垣吾郎が主演を務める公開中の映画「正欲」より、撮影の裏側の様子を捉えたメーキング映像&メーキング写真が公開された。
東京国際映画祭でダブル受賞
本作は、朝井リョウの小説を映画化した作品。家庭環境・性的指向・容姿など、様々に異なる背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマを炙り出していく。監督を岸善幸が、脚本を港岳彦が務める。第36回東京国際映画祭では観客賞と最優秀監督賞をダブル受賞した。
検察官として横浜検察庁に務め、妻と息子と3人でマイホームに暮らす寺井啓喜役を稲垣、広島のショッピングモールで契約社員として働く桐生夏月役を新垣結衣、両親の事故死をきっかけに広島に戻ってきた夏月の同級生・佐々木佳道を磯村勇斗が演じる。
そして佐藤寛太がダンスサークルで活動し、大学の準ミスターに選ばれるほどの容姿を持つ諸橋大也役を、東野絢香は大也と同じ大学に通う神戸八重子役を務める。
メーキング映像が公開
今回解禁されたメーキング映像では、検察官の啓喜役の稲垣や、秘密を共有し合う夏月と佳道を演じた新垣と磯村が、それぞれ岸監督に演出指導を受ける様子が収められている。
風船の膨らませ方について細やかな仕草を提案する稲垣や、せりふの言い方についてニュアンスをすり合わせていく磯村など、現場で岸監督とディスカッションを重ねながら撮影していく出演者たち。メガホンを取った岸監督も「この作品ではみなさんとじっくり話しながら作っていくことができ、とても充実した作品になったと思います」とコメントし、語りがいのあるテーマを扱う映画だからこそ、キャスト陣との入念な話し合いが非常に重要だったことを明かした。
着衣のままプールに浮かぶ夏月のシーンの裏側では、スタッフたちに囲まれながら撮影に挑む新垣の姿が。ほかにも、まるで夏月と佳道のように穏やかに談笑する新垣と磯村や、大学のシーンで共演した佐藤、東野、坂東希と岸監督が、劇中のシリアスな役柄とは打って変わって楽しそうに写真撮影に望む姿が印象的な映像になっている。
そして映像の最後には、主演を務めた稲垣のクランクアップ時のあいさつを収録。岸監督を始めとするスタッフや共演者たちの姿から「この作品にかける情熱と思いがすごく伝わってきた」という稲垣。続けて「みなさんが妥協することなくワンカットずつ丁寧に粛々とものづくりをされている姿に、やっぱり映画の現場っていいなと思いました。こういうところでお仕事ができるというのは、俳優として本当に幸せなことだと思っています」とコメントした。