コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、ひこちゃんさんがX(旧Twitter)に投稿した『おじいちゃんの自慢話』をピックアップ。
作者のひこちゃんさんが9月18日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、2.3万以上の「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、ひこちゃんさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
この話は自慢したくなる…おじいちゃんの凄すぎて貴重すぎる昔話
戦争の始まる少し前。私のおじいちゃんは15歳のときに1人で北海道から東京へと移り住み、とある和菓子屋で働きはじめました。おじいちゃんがよく話す自慢話が2つあります。1つ目の自慢話はアンパンが作れること。リヤカーに和菓子をつめて、毎日街を売り歩いたそうです。その街には、毎日毎日同じところに犬がいました。おじいちゃんは犬に「なんだか知らんがあんたも毎日大変そうだな。オレの作ったヤツでよかったら食うか?」と、アンパンをあげた。犬は勢いよくアンパンを食べた。2つ目の自慢話は、あの忠犬ハチ公にアンパンをあげたことだった。「あの犬はいつもいるんだよ。だからオレはアンパンをやったんだ」と。私はその話が大好きで何回も聞かせてもらいました。
貴重なおじいちゃんの自慢話を描いた本作。おじいちゃんの自慢話のまさかの展開に、ネット上では「すごい話!」「すてきなおじいちゃん…」「この話映画に出来んかね」など多くの反響が寄せられ話題となっている。
素敵なおじいちゃんの記憶が蘇る…作者・ひこちゃんさんが語る創作の裏側
――「おじいちゃんの自慢話」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
ネットにマンガを上げ始めた初期にコルクラボ漫画専科という教室に通っていて、その中の卒業課題として描きました。本当は30ページほどかけて描くつもりだったのですが、忙しさにかまけて冒頭4ページで提出しました。なので実はこの後に26ページ分の続きがあるんです。
――「おじいちゃんの自慢話」の中で気に入っているシーンがありましたら、理由と共にお教えください。
青年時代のおじいちゃんがハチにむけて「あんたも毎日大変そうだな」と声をかける場面です。これは私が想像したセリフなんですが、実際おじいちゃんは子どもの頃の私に対しても「子どもだから」といった扱いはぜず常に対等な目線で色んなことを話してくれた記憶があります。そんなおじいちゃんだからハチに対しても同じ目線でこんな風に声をかけたんじゃないかなと想像して描いたのですが、おじいちゃんの人柄がうまく表現できた気がしてとても好きなシーンになりました。
――ひこちゃんさんの作品では、仲の良い明るい家族の日常が描かれていますが、家族円満の秘訣は何ですか。
秘訣かどうかはわかりませんが何をするにも奥さんと息子と話し合ってから決めたりします。決めつけたりしないことですかね。
――ひこちゃんさんの作品で描かれる息子さんのキャラクターがとても魅力的なのですが、描くうえで意識していることなどありましたらお教えください。
私が感じたことをマンガを見た方が同じように感じてもらえるように、間や表情などは注意して描いています。
――ひこちゃんさんの今後の展望や目標をお教えください。
売れっ子になりたいです。それとコロナで休止していた地元の子どもたちと一緒にマンガを描く漫画教室を再開したいです。
――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。
私のマンガを読んでくれた皆様に幸あれ。なかなか厳しい時代ですがお互い助け合い頑張っていきましょう。