Z世代探偵の面白さとサスペンスを盛り上げる秀逸なシチュエーション
ダービーたちがいるのは、辺り一帯雪が積もり、周辺には民家や他の施設もほとんど見当たらない場所。ケネス・ブラナー主演の映画「オリエント急行殺人事件」などもそうだが、雪と閉鎖的空間のマッチングは、冷えた空気感がこちらにも漂うようで、ミステリー&サスペンスにとって最高の舞台となる。
救急車を呼ぼうとしても嵐で難しかったり、警察が到着するのが翌日の日暮れ前だとされたりといった具合に、閉鎖的なシチュエーション。まさに本作のタイトルでいう、ワールドエンド=地の果て。そして何より、その空間には犯人であろう人物もいるのだから、ドキドキ感が高まる。
そこに加わるのが、デジタルネイティブ世代のダービーのハッカー技術や、一歩進んだAIアシスタントなど先進的なテクノロジーだ。それが物語の展開に独自性を持たせて、グッと面白くする。
ダービーのほか、ゲストは映像作家、中国でスマートシティ建設を計画する者、投資家、研究者など9人。アンディが5人、リーが4人を招いたという。そこに何か意味があるのかということも頭をよぎる。
物語は、ダービーとビルの過去と、ダービーがアンディに招かれた現在と、2つのタイムラインを行き来する。ダービーが過去は金髪で、現在はピンク髪であることから、今のところ困惑することはなく、逆に過去が描かれることでダービーの鋭さやスキルが引き立ってくる。過去の出来事も全容は明らかにされていないため、2つのフーダニットを追うというのも楽しい。
「現代のホームズ」と呼ばれているらしいダービーはどのように真実に近づいていくのか。Z世代らしい活躍を大いに期待していきたい。
「マーダー・イン・ザ・ワールドエンド」は、ディズニープラスのスターで毎週火曜に新エピソードを独占配信中。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/a-murder-at-the-end-of-the-world /
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