2ndシングル「映画の趣味が合うだけ/ちいさな世界」の聴きどころ
――では、そうして仕上がった新曲の1つ。「映画の趣味が合うだけ」はどんな聴きどころがある曲かを教えてください。
この曲は歌詞世界の中に揺れるような物語性があって、会場によって少しずつ歌い方を変えています。映画の趣味が合うだけの2人がどんな映画を観ているのか。例えば大きいステージでは壮大なスクリーン映画を観ているようにも聴こえるし、静かに聴いてくださるような会場では落ち着いた映画を観ているようなしっとり感で。そういう風に、お客さんにも物語の中の映画が想像できるような楽しさのある曲です。
――ちなみにスタンダートなところでいうと、小片さんにはどんな内容の映画が見えていますか?
“映画の趣味が合うだけ”って、けっこうどっちにも取れる言い方だと思うんですよね。私は何となく単純な恋愛映画ではないだろうなと思っていて、もしかしたら本当に趣味の合う人が少ない、だいぶマイナーな洋画なのかもって。この曲の舞台は渋谷ですが、大勢の人で賑わう大きな映画館ではなく、そういうマイナーな洋画を流しているミニシアターなのかなと想像したり。私の軸としてはそこが一番ですね。
――もう1曲の「ちいさな世界」はいかがですか?
世界観が日本ではないというか、ちょっとエスニックな香りがするというか。こんな楽曲を歌わせてもらえるなんて想像していなかったので、まずレコーディングがとても楽しかったです。
――リズム感あふれる曲です。先ほどのバックサウンドの疾走感というのはこちらの曲ですか?
そうですね。声の強さと楽器の強さのバランスは繰り返し聴いて、少しずつ少しずつ完成させていきました。「映画の趣味が合うだけ」と比べると歌詞の内容が抽象的で、大きい世界情勢の話をしながら自分の日々のちょっとした悩み事や些細な出来事をフォーカスしている。その感情の移り変わりが面白い曲です。メロディーに熱さがあるので、歌い方としては淡々とストレートに気持ちを持っていった方が伝わるかなと思い、落ち着いた表現をしてみました。
――今回、Additional Track(ボーナストラック同義)は3曲。その内の「虹を超える」は9月のハロー!プロジェクト25周年コンサートで披露されました。リード曲ではなく、これを選んだ理由というのはあるのでしょうか?
当時は新曲の発表前だったという事情がありつつ、それでも昨年の1stシングルから歌うという選択もあったと思います。そういった中で「虹を超える」を選んだのは、アップテンポで会場を温められる曲だったこと。皆さんにぜひ聴いていただきたい曲だったからです。
――ブログではこの曲への想いを綴っていました。
普段、楽曲はいただくまで内容は分からないんですが、この曲に関しては先に一度聴いて、「どうしてもこれを歌いたいんです」と、強くお願いした経緯があります。もしかしたら別の方に行く曲だったのかもしれませんが、背中を押してくれる歌詞がとても素敵で、一度聴かせてもらったときから大好きになり、わがままを言ってしまいました。こういうのって初めてのことで、楽曲への思い入れも強いですね。