人気ダンサーとアーティストが総出演! DanceFact OPENING SPECIAL EVENT
ダンスメディア「DanceFact」のサイトオープンを記念して、7月30日(日)に赤坂BLITZで「DanceFact OPENING SPECIAL EVENT」が開催! この日のために今まで「DanceFact」に登場した、有名ダンスチームやアーティスト、Dancefact公式ダンサーを中心に11組が圧巻のライブを披露。満員のダンスファンを熱く盛り上げた当日の様子を完全版のレポートでお届けしよう!
ネームバリューだけじゃない! 実力と人気も本物のダンサーが集結!
ステージの暗転と共に高揚感が高まる中、トップバッターは「DanceFact」の公式ダンサー、YUI、MYW、SHO→RI、SORA、KANAMIの5人が、DanceFact Dancersとして登場。HIPHOP、LOCK、BREAKのオールドスクールをベースとしたダンス構成で、ベーシックな部分からダンスを学んでいるんだという姿勢を、ショーケースで見せつける。もちろん圧巻のダンスムーブに歓声が沸き上がるのだが、数年前のような「10代の子がこんなすごい事やってる」という、物珍しい目線ではなく、1人のダンサーとして歓声をあびていた。加えて、ダンサー自身のファンもいて、黄色い声援が飛び交う驚きのシーンも。まさに新しい流れが生まれている、そう感じさせるショーケースだった。
先日アメリカで開催された「WORLD OF DANCE 2017」で2連覇を達成したFabulous Sistersは、一糸乱れぬ高速の群舞と女性らしさを出した振付で、チームカラーを出したショーケースを披露。Fabulous Sistersを率いるRuuは、Dancefactのインタビューで「女性が作り、女性が踊る、女性らしい作品にこだわっている」と話していたのが印象的であったが、その言葉を証明するかのように、衣装のスカートを使ったターン、スリットが入った黒いドレスでのセクシーな振付など、女性が惚れる女性のダンスを見せつけて大歓声を集めた。
続いて、ダンスボーカルグループのBRIDGETから双子ダンサーYUとRYOのユニット・Twins Mixが登場。双子ならではのパフォーマンスとして、シンクロ率の高いダンスで会場を沸かせる。パントマイム、音ハメ、歌詞ハメと様々な方法で繰り出すシンクロダンスは、もっと見たいと思わせる引き出しの多さ。ダンスボーカルグループでの経験を生かした、観客を楽しませるダンスを見せていたのが印象的だ。最後はBRIDGETのHAYATOとMASAもサプライズで出演し、会場は驚きと歓声に包まれた。
日本を代表するBBOYの1人であるTAISUKEが在籍し、世界大会でも数多くの優勝を勝ち取ったブレイキンチーム・THE FLOORRIORZからKATSUYA&STEEZ&Ramの3人が登場。ブレイクビーツの音とともに、BBOYとBGIRLが見せるブレイキンは軽快なフットワークとキレのあるパワームーブで、観客の目線をステージ上にロック! ブレイキンといえばやはり、豪快なパワームーブが盛り上がるし、ずっとパワームーブで見せる方法をあったと思うが、この日の3人はフットワークやステップなども多めに取り入れる。途中音に合わせてリズムに乗る姿も見せ、ブレイキンはパワームーブだけじゃないという、ダンスの奥深さを伝えるようなパフォーマンスが印象的だった。
アニソンダンスはストリートの舞台で受け入れられるのか?!
アニソンやボーカロイドを使って、ストリートダンスを踊るAPOP。現在、アニソンダンスバトルの全国大会や、プロダンサーレベルの「踊ってみた」の踊り手たちの活躍もあり、非常に盛り上がりを見せているジャンルだ。そのAPOP界から、APOP応援隊が登場。アニメ「けものフレンズ」の主題歌『ようこそジャパリパークへ』がかかり、渾身の音ハメと歌詞ハメダンスをキメていく! はたしてこのアニソンを使ったダンスの魅力が、ストリートダンスファンに刺さるのだろうか? そんな緊張感が走る中『スーパーウルトラハイパーミラクルロマンチック』で会場から歓声と笑いを引き出し、ヒャダインの『じょーじょーゆーじょー』で、楽曲に負けない高速ダンスを披露。終わってみれば観客からは大歓声。APOPがストリートダンスファンに受け入れられた瞬間であった。
ダンスチームのパフォーマンスもラストスパート。KRUMPのオリジネーター・Tight Eyezから日本のKRUMPシーンを託されているTwiggzが牽引するTwiggz Famが登場。この日はTwiggzが信頼をよせる6人がパフォーマンスをし、これが本当のKRUMPだ! といわんばかりの力強いKRUMPで観客の心を奮い立たせる。力強さだけでなく、キャップを使ったハットトリックで技を効かせる演出も忘れない。そして、彼らのTシャツには「BUCK THIS LIFE」という文字が。KRUMPにおいて"BUCK"は、気持ちを極限まで高め、ある一定の意識から自分を超えた状態という意味だ。その言葉通り、極限ともいえるKRUMPで圧倒的なパフォーマンスを見せ、会場を沸かせた。
SHUHO率いるTOKYO FOOTWORKZは、6人のフルメンバーでパフォーマンス。6人揃ってショーケースに出るのはレアなのだが、それだけこの「Dancefact」に寄せる期待や盛り上げたいという気持ちがよく伝わる。印象的だったのはエンタメ性あふれる見やすいHOUSUだけでなく、ステップやフロアーで見せるHOUSE本来のムーブを多めに見せていたことだ。自分たちが築き上げた新しいHOUSEだけでなく、HOUSEダンス本来の姿も見せる構成は本当によく考えられている。ステージ中央に照明が当てられ、ソロやペアダンスを決める6人の姿はカッコいいを超えて、神がかっていた。
ダンスチームのラストを飾るのは、ストリートダンスと和楽器を組み合わせたSNAZZY DOGS。SETOとMADOKAのセッションダンスを見れるだけでも豪華だが、そこにHIRONAのヒューマンビートボックスと千代園 剛の和太鼓が加わり、他のダンスチームにはないダンスビートを生み出す。和太鼓&LOCK、ビートボックス&POPに分かれてバトルセッションするという普段見られないショーケースに、観客の目はステージに釘付け! ダンスの表現がいかに幅広く、可能性のあるものだということを証明していた。
日本のダンスボーカルグループの未来は明るい! 圧巻のライブパフォーマンス
まず、ゲストアーティストとして登場したのは、三代目 J Soul Brothers や少女時代をプロデュースしたSTYが手掛けるBANANALEMON。メンバーのR!NOが引き連れるR!NO CREWと共にダンスパフォーマンスを見せた後、「FOREVER YOUNG」を披露。この戦闘力は何なんだろうか! 黒くて、パワフルで、セクシーさも併せ持ち、そこに高い歌唱力とダンススキルが合わさり、新人とは思えない存在感を放つ。「I WANNA, I WANNA」を含む系4曲を披露したが、どれも圧巻のパフォーマンスで、会場を揺らすという意味ではこの日1番のライブではなかっただろうか。もはやガールズグループの中で、この路線はBANANALEMONの独断場になるかもしれない。とんでもないグループが生まれたと感じさせるライブだった。
日本のダンス界の頂点を手にしたBeat Buddy Boiは、数ある楽曲の中から、観客と盛り上がれるセットリストを用意。8人でダンスパフォーマンスを見せた後、「ROCK THE HOUSE」を披露。この曲はライブ後半でファンとクラップやリズム遊びをするシェア曲としてパフォーマンスされることが多いが、この日はファンだけでなく会場全体を巻き込んでクラップ旋風を巻き起こす。MCではラッパー・SHUNとToyotakaのヒューマンビートボックスで、メンバーのソロダンスやSHINSUKEのパロディダンスを操り、歓声を集める。最後は「B-BOIスクランブル」で、それぞれ個性の違う高いダンスパフォーマンスをみせて、会場を盛り上げた。
怒涛の展開を見せたライブイベントのトリを飾るのは、今メディアで取り上げられ、着実に知名度を上げているFlowBack。ラッパーのJUDAIが足のケガのため出演できず、4人でのパフォーマンスとなったが、気持ちは5人でパフォーマンスをしているという想いが伝わるステージに。「BOOYAH!」ではイントロのJUDAIのパートを4人で手分けして歌っていたのが印象的。楽曲がカッコいいので、攻撃的に見えるグループだが、MCでは礼儀正しく爽やかな青年というギャップも人気のひとつだろう。新曲「WE ARE!」では、「WE ARE!!!」の力強いフレーズが会場に響き渡る! ダンスも細かい音を拾った振付でレベルが高い。これを自分たちのセルフプロデュースで手掛けているというのだから、今後が楽しみでしかないダンスボーカルグループだ。最期はFlowBackな中でもノリの良いサウンド『Heartbreaker』で、音楽を通じて観客と一体になり、ライブは幕を閉じた。
出演した全11組すべてがレベルの高いライブパフォーマンスを見せた「DanceFact OPENING SPECIAL EVENT」。あらためてダンスが生み出す熱量の高さや表現の可能性を提示してくれたイベントというのが素直な感想だ。メディアでダンスが取り上げられるようになって早数年、ダンサーやアーティストのレベルは日々上がる一方であるし、ダンスファンの応援も日々熱くなっているのを感じる今日この頃。ダンスが作るエンタメの未来は明るい! そう感じずにはいられないイベントだった。
(撮影●ハタサトシ 取材・文●野澤達也)