“鉄壁のガード”を誇るアスランを2度崩したカガリ・ユラ・アスハ
一方アスランの恋愛は、キラよりもドラマチックかもしれない。なにしろ敵として戦った相手と結ばれることになるのだから。相手とは、カガリ・ユラ・アスハ(CV.進藤尚美)。オーブ連合首長国の王女でありながら男勝りな性格のカガリは、とある事情からレジスタンス「明けの砂漠」の一員として活動していた。成り行きからキラたち地球連合軍に同行してザフトと戦ったカガリは、漂着した無人島でアスランと出会う。敵同士のため、当然のように戦闘となる2人だが、アスランはカガリのことを殺さず、焚き火を囲んで一晩を過ごす。この状況は接近する男女の定番シチュエーションだが、アスランとカガリもじつにエモーショナルに描かれる。
なぜ人間同士が殺し合わねばならないのかと、お互いの想いをぶつけ合う一連のくだりは、シリーズを象徴する名シーンとして記憶に残っている人も多いだろう。そもそもアスランは口数の少ない男で、自分の想いをストレートに他者にぶつけること自体が珍しい。これは誰にでも真正面からグイグイと体当たりしていくカガリだからこそ引き出せたアスランの素顔であり、このことはアスランにとっても劇的な出来事だったはず。2人はほどなくして再会を果たすのだが、これがまた屈指の名シーン。幼馴染みのキラを殺したと思い込んでいるアスランと、負傷した彼を救護したカガリ。彼女にとって大切な存在であったキラの死を受け入れられず、アスランを問い詰める。人前では涙を見せないアスランが、カガリの前では泣きながら心中を吐露する。
もはや勝負ありだ。ある意味“鉄壁のガード”を誇るアスランを、二度にもわたって崩したカガリの攻撃力の勝利だった。こうしてカガリは、アスランの中で特別な存在となっていく。もちろんカガリは意図的にアスランを落とそうとしていたわけではないが、結果的に「恋はいつでも体当たり」を体現してくれたヒロインだった。
アスランを取り巻く女性続々
アスランに絡むもう女性キャラクターと言えば、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』で登場するルナマリア・ホーク(CV.坂本真綾)や、ルナの妹のメイリン・ホーク(CV.折笠富美子)、ミーア・キャンベル(CV.田中理恵)も忘れられない。中でもアスランと行動を共にすることが多かったメイリンは、最初はザフトの戦艦ミネルバのオペレーターとして序盤から登場するものの、姉のルナマリア・ホークの影に隠れた存在だった。アスランに対して興味を抱いてはいたものの、最初に彼と親しくなったのは姉のルナマリアで、彼女のアスランへの好感度パラメーターもかなりの上昇具合だった。しかし、物語が後半に入ると状況は一変する。
アスランがスパイ容疑をかけられた際、メイリンはとっさの機転で彼を助ける。なぜ自分を助けたのかを問われたメイリンは「分からない」と言いつつも、その後もアスランのために尽力。成り行きからアスランと逃避行を始めるメイリンは、その後もアスランと行動を共にすることとなる。
そんなメイリンは、2年後が舞台の『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』でも共にいるようだ。アスランと2人のヒロインとの関係はどのようになっているのだろうか。また、キラとラクスの仲に進展はあるのか。メインストーリー以外にも『SEED FREEDOM』は気になることだらけだ。
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