俳優の磯村勇斗が12月11日に都内で開催された「ELLE CINEMA AWARDS 2023」の授賞式に出席。2023年に公開された「月」と「正欲」での演技が評価され「エル メン賞」を受賞し、磯村は「非常にうれしく思っています。評価していただいた作品は2つとも難しい役でもあり、大変社会的なテーマを持った作品だったので、このような賞を頂けてとても報われたような気持ちです」と、安堵(あんど)の表情を浮かべながら受賞の喜びを語った。
1年間で映画7作に出演
「月」「正欲」だけでなく、2023年は「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-/-決戦-」「最後まで行く」「波紋」「渇水」と年間を通して7本もの出演映画が公開され、それぞれで存在感を示した磯村。
映画だけでなくドラマも出演を重ね、まさに活躍ぶりは枚挙に暇がない1年だったが、「今年は本当にたくさんの映画に出演させてもらいまして、非常に映画の年で実りのある年だったなという印象です」と振り返る。
受賞の決め手になった2作品については「どちらも僕の俳優人生にとってはすごくターニングポイントとなる作品になった」と話し、特に実際に起きた障がい者殺傷事件をモチーフに、社会的背景と人間存在の深部に切り込んだ作品「月」については「この作品に参加するかどうか、というところから最初話し合いが始まった」という。
出演が決まり、公開を迎えてこのほど映画賞を受賞したことについて「非常に葛藤しながら、責任を負いながら現場の皆さんと作り上げてきた作品なので、今思うと去年(撮影時期)の夏が重かったなあという思いもありながらも、こうやって明るい所に立てていることをすごく光栄に思っています」と、しみじみと思いを語った。
そしてあらためて「俳優人生の中で(今年は)節目だったと思うんですよ。来年はまた新たに種まきから始めようかなと思っているので、スタート地点に立ったような気持ちで新たにしっかり俳優人生を歩んでいきたいなと思っています」と力を込めた。
また、「愛にイナズマ」の演技が評価され、日本の映画界で輝く俳優に贈られる「エル ベストアクトレス賞」を受賞した松岡茉優も登壇。受賞の感想を「とてもうれしいです。俳優というのはこういう場所で評価していただいた時に『誰かに届いたんだな』と思える機会だと思うので、このたびは皆さんにお目にかかれて本当にうれしいです」と笑顔を見せた。
「ELLE CINEMA AWARDS」とは?
同アワードは、その年に公開された映画の中からファッションメディア「ELLE」が今見るべき秀作を独自の視点でチョイスする映画賞。2015年よりスタートし、毎年さまざまな作品が選出されている。4年ぶりのリアル開催となった今回は、作品賞の第1位「エル シネマアワード」にマーゴット・ロビー主演の「バービー」が輝いた。
ほか、「エル ベストディレクター賞」を是枝裕和監督、「エル・ガール ライジングスター賞」を山田杏奈、「エル ベストアクトレス賞」を松岡、「エル メン賞」を磯村、「FENDI賞」をアイナ・ジ・エンドが受賞し、それぞれ授賞式にも登壇した。
◆取材・文・撮影=月島勝利(STABLENT LLC)