コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、うつ病経験者から共感の声が多数寄せられている話題の人気作品「うつ病から仕事復帰の壁(1)」をピックアップ。
作者の如月あいさんが12月3日にX(旧Twitter)で同作を投稿。そのツイートには合わせて1万以上のいいねと共に、多くの反響コメントが寄せられた。この記事では、如月あいさんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについてを語ってもらった。
うつ病から仕事復帰することの難しさ
うつ病になり約2週間仕事を休んだ私は、ついに復職することになった。
復帰初日、溜まっているメールを返信しようとするも、1時間かけて返せたメールはわずか3通。結局、この日はメールの返信だけで終わってしまった。
数週間後、少しずつ仕事ができるようになり、調子がいい日は漫画も描けるようになった。ただ、全盛期の頃と比べると集中力が続かず、すぐに疲れてしまう。1日に1枚しか描けないことも…。
このペースだと、週刊誌はもちろん月刊連載も難しい。作画はできたとしても、編集さんから修正をされるたびにきっと涙が止まらなくなる。うつ病も悪化してしまうだろう。
そう考えた私は漫画家に戻る道を諦めた。絶望しすぎて涙もでなかった…。
「漫画家さんをうつ病から救いたい」作者・如月あいさんが語る創作秘話
――「うつ病から仕事復帰の壁(1)」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
「漫画家さんをうつ病から救いたい」という思いが溢れて描いた作品です。うつ病になって、以前のように漫画が描けなくなってしまったので、私のような漫画家さんを一人でも減らすことができたら…と思いこの作品を描きました。
――可愛らしくて自然と応援したくなるような“ニワトリ”が印象的ですが、描くうえでこだわった点があればお教えください。
ありがとうございます!うつ病という重いテーマを扱うので、なるべくポップなキャラになるよう心掛けました。“ニワトリ”にしたのは、私が酉年だからです。
――うつ病のご経験がある方々からの共感の声が多数寄せられていますが、コメントを読んだ時のお気持ちをお教え下さい。
共感してもらえて本当に嬉しかったです。うつ病で苦しんでいるのは私だけじゃない、こんなにたくさんの人がいるんだ!と思ったらすごく心強かったです。コメントを読んだ皆さんも、同じ気持ちだったら嬉しいな~と思います。
――「うつ病エッセイ」を通じて伝えたいメッセージがあればお教えください。
うつ病は誰でも罹る、身近で恐ろしい病気です。うつ病は再発率が高く、完治するのが難しいとされています。一度罹ると私みたいになっちゃいますので、どうか心が壊れてしまう前に、ストレスから離れて自分を労わってもらえたら嬉しいです。
――今後の展望や目標をお教えください。
うつ病以外のエッセイ漫画も描いていきたいと思っております。今考えているのは「便秘を放置したら10万円消えた話」「相撲が好きすぎて力士に会いに行った話」などです。漫画と関係ないですが、手作りお菓子の販売にもチャレンジしようと思っております。自分のキャラクターをクッキーにして販売する予定です。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
いつも作品を読んでくださってありがとうございます!皆さんに作品を楽しんでもらえるよう、私自身も楽しく作品を描いていきたいと思っております。これからも応援してもらえたら嬉しいです。