元BiSHのアイナ・ジ・エンドが、12月11日に都内で開催された「ELLE CINEMA AWARDS 2023」の授賞式に出席。2023年に公開された初主演映画「キリエのうた」での演技が評価され、映画界に革新を起こした人に贈られる「FENDI賞」を受賞し、「(トロフィーが)ずっしり重たくて…。本当に頂けたのか?とさっきまで夢なのかなと思っていたんですけど現実でした。ありがとうございます!」と受賞の喜びを語った。
岩井俊二×小林武史の最強タッグによる映画で初主演
共に長年エンタメ界を牽引してきた岩井俊二監督×音楽・小林武史によるタッグの映画「キリエのうた」は、壮絶な運命と無二の歌声を宿したキリエの音楽がつなぐ13年に及ぶ壮大な愛の物語。降りかかる苦難に翻弄(ほんろう)され、切なくもドラマティックに交錯していく男女4人の人生が描かれる。
同映画で、歌うことでしか“声”が出せない路上ミュージシャン・キリエ(路花)を演じたアイナは、トロフィーを受け取った後、Kyrie名義で担当した主題歌「キリエ・憐れみの讃歌」を情感たっぷりに歌い上げた。
歌唱後、アイナは初めての主演映画である同作に携わった感想を「映画や演技の世界に飛び込ませていただいたのは、今回の『キリエのうた』が初めてでした。本当に拙いの極みで、広瀬すずちゃんとか、松村北斗さんがお芝居の教科書みたいになってくれて。何より岩井俊二監督が自分を拾ってくれたこと、このうれしさでやり遂げられました」と話し、「まだ見ていない方がいるかもしれないんですけど、精いっぱいみんなで作り上げたので、『キリエのうた』を感じていただけたらうれしいです」と呼び掛けた。
授賞式後にはトークショーにも登壇したアイナ。メガホンをとった岩井監督の演出について聞かれると「岩井さんはお芝居について『こうしてほしい』というのはあまりない方で、委ねてくれる部分がとても多かったです。時たま熱くご指導をいただくこともありまして、そういうときはおうちに帰って岩井さんに頂いた言葉をどういう意味だったんだろうと咀嚼する毎日でしたね。いろんな課題がありました」と明かす。
また、共演者にも助けられたそうで「難しいと思うこともあったんですけど、その都度、広瀬すずちゃんとかがそばにいてくれて。あの方はあんまり多く語らないんですけど、背中でしっかり伝えてくれるんですよね。“波動”を出してくださるんです。すずちゃんに付いて行って何とかやり遂げられたなと思います」と、“背中で語る”俳優の先輩・広瀬とのエピソードを披露した。
「ELLE CINEMA AWARDS」とは?
同アワードは、その年に公開された映画の中からファッションメディア「ELLE」が今⾒るべき秀作を独自の視点でチョイスする映画賞。2015年よりスタートし、毎年さまざまな作品が選出されている。4年ぶりのリアル開催となった今回は、作品賞の第1位「エル シネマアワード」にマーゴット・ロビー主演の「バービー」が輝いた。
ほか、「エル ベストディレクター賞」を是枝裕和監督、「エル・ガール ライジングスター賞」を山田杏奈、「エル ベストアクトレス賞」を松岡茉優、「エル メン賞」を磯村勇斗、「FENDI賞」をアイナが受賞し、それぞれ授賞式に登壇した。
◆取材・文・撮影=月島勝利(STABLENT LLC)